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診療・入院料引き上げへ 報酬改定、薬価下げ財源

 来年度の診療報酬改定について、政府は診察料や入院料などの公定価格となる「本体」部分を引き上げる方針を固めました。薬代の「薬価」の引き下げで、高齢化に伴う社会保障費の自然増の抑制目標達成にめどが立ち、財源が確保できる見通しとなったためです。診療報酬は2年に1度見直されます。引き上げれば医療機関の収入が増え、財源の公費や保険料、原則3割から1割の患者の窓口負担も増えます。政府はすでに、本体と薬価から成る診療報酬全体はマイナスとする方針を決めており、医師らの人件費などに回る本体の扱いが焦点となっていました。政府は来年度予算で、社会保障費の自然増を5千億円ほどに抑える目標を掲げます。達成には1300億円ほど削る必要があり、薬価の引き下げでどれだけ財源を確保できるか精査してきました。薬は仕入れ値が徐々に下がるため、薬価は改定のたびに下がります。直近の調査で実勢価格が公定価格より10%前後低く、1千数百億円捻出できるとわかり、達成が確実となりました。本体の引き上げは6回連続で、具体的な改定率は年末までの予算編成作業で決めます。1%上げるには約1200億円の国費が必要で、患者の窓口負担も約600億円増えます。前回2016年度改定の0・49%が一つの基準となりそうです。本体をめぐっては財務省や医療費を払う側の保険者団体などが引き下げを要求しています。一方、医療団体は厚生労働省の昨年度の調査で病院の利益率がマイナス4・2%の赤字だったことや、安倍政権が財界に3%の賃上げを求めていることから引き上げを求めています。政府は本体の引き上げで、安倍政権を支持する日本医師会に配慮する思惑もあるとみられます。

朝日新聞②
2017年12月26日更新
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出島会計事務所 税理士 安達幹彦