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【時事解説】トリクルダウンは起きなかった その2
このように富裕層に対する所得税の累進税率を緩和する一方、貧富に関係なく消費に対して一律に課税される消費税率を高くするのは、貧富の格差を拡大するものだ、という批判は当初から根強く存在していました。それに対する有力な反論が「トリクルダウン理論」だったわけです。
トリクルダウン理論が有効で、貧しい人にも果実がゆきわたるためには、経済全体が成長しなければなりません。ところが、我が国の2000年から2020年の実質GDPの伸び率は20年間でたった9.5%に過ぎません。年率に換算すれば、0.5%にも満たないのです。経済全体のパイが増えない状態で、富裕層の所得が増加すれば、貧しい人々は益々貧しくなるということになりますから、貧富の格差は拡大します。
アメリカは自由な競争をできるだけ拡大することで、経済を活性化させるという新自由主義を標榜する国のトップランナーであり、トリクルダウン理論はその新自由主義政策を正当化する柱の理論でした。そのアメリカでもトリクルダウン効果に疑念を呈されています。
トリクルダウン効果に疑問があるとすれば、富裕層に対する所得税や法人税の税率引き上げといったことも、これから俎上に上ってくるかもしれません。富裕層への累進税率の強化や法人税の増税により生まれた税収を財源に、福祉や公共投資を拡大することは、貧富の格差縮小に貢献するだけではなく、低所得層の消費拡大につながり、経済成長にも資することが期待されます。(了)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
2023年3月15日更新
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