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【時事解説】EV(電気自動車)ブームの終焉は本当か その1
数年前、自動車業界では多くの国で環境規制強化や補助金政策が実施され、「EVシフト」(EVへの全面移行)を宣言したメーカーが多数ありました。ただ、最近はEVの販売成長は鈍化し、投資計画の見直しを公表するメーカーも現れ始めています。これを指して「EV失速」という声も耳にします。
EVの普及を阻害する要因は何でしょうか。1つは、価格の高さがあります。EVは元々コストが高く、ガソリン車より2割程度高くなっています。各国とも補助金制度を打ち出していましたが、2023年ドイツではEVの購入補助金を突然廃止しました。同様に、米国では、トランプ米政権はバイデン前政権が進めたEV普及策を相次いで撤回しています。具体的にはEV購入の税額控除を廃止、さらにはEV普及を促進する厳しい自動車排ガス規制(温室効果ガス排出基準)の撤廃を発表しました。
ほかにも、EVの普及を阻害する一因として、日本などでは充電インフラの不便さが挙げられます。ガソリン車は1回の満タンで500~800km以上走れますが、EVは200~500km程度、最新モデルは600kmを超える物も開発されていますが、高速道路のSA/PAやディーラーにある急速充電器は台数が限られています。休日などに充電待ちが発生する不安が購入の心理的ハードルの1つにもなっています。
何より、EVは巨大なバッテリーを積むため、製造時のCO2排出量はガソリン車の1.5~2倍になるといわれています。こうした環境負荷が知られるにつれ、「本当にエコなのか」という疑問も広がりつつあります。
ただ、長い目で見れば電気自動車(EV)がカーボンニュートラル実現のために重要であることに変わりはありません。EVを巡る現在の停滞は、次の段階へ進むための調整局面ともいえます。過度な期待と失望を繰り返すのではなく、現実的な条件のもとで最適解を探ることが今後はますます求められるといえます。(つづく)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
2026年3月30日更新
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