市川市役所職員出身。出身地である市川市で税理士事務所開業。皆様の最高のパートナーになれるよう、AI等の活用もしながら業務を工夫し、日々努力しています。お客様に寄り添える良き相談相手にならせてください。
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事務所だより:

★事務所だより9月号★

発行日:2026年09月01日
いつもお世話になっております。

暦では夏の終わりと申しながら、まだまだ暑い日がつづきますね。
夏の疲れが出てくる頃です。
体調管理には充分気をつけてお過ごしください。

それでは、今月の事務所だよりをお届けします。

2026年9月の税務

9月10日
●8月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

9月30日
●7月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●1月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の1月、4月、10月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の6月、7月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(5月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>

相続時精算課税贈与で家族会議

◆実質は相続税の前払い
 相続時精算課税制度では、贈与者が亡くなると先に贈与した財産の価額を相続財産の価額に加算して相続税額を計算します。既に納付済の贈与税額は相続税額から控除され、贈与税額の方が大きいときは差額が還付されます。贈与ではあるものの、相続税額の計算で納税額を計算し直すため、実質は相続税の前払いといえます。

◆メリット1.少ない税負担で財産移転
 相続時精算課税贈与では贈与財産の価額から特別控除として2,500万円が控除され、その年に控除しきれなかった残額は、次年度以降の贈与まで持ち越されます。贈与税は控除後の残額に対し、一律20%と低率のため、贈与時の税負担は少なく、不動産や金融資産などまとまった金額の財産を早期に移転することができます。
 さらに、令和6年1月1日以後の相続時精算課税贈与には基礎控除110万円が設けられ、特別控除2,500万円の前に基礎控除が控除されるようになりました。その年の贈与額が110万円以下であれば、贈与税を申告する必要もなく、また、基礎控除110万円までの贈与部分は相続財産の価額に加算されないので負担が軽減されています。

◆メリット2.家族で相談する機会ができる
 相続の備えは子どもからは言い出しにくいものです。相続時精算課税贈与は、将来の相続で精算が行われるため、贈与の検討をきっかけに家族で財産の利用方法について話す場をつくることができます。親は財産移転について自分の思いを伝え、配偶者や子どもたちも自身の生活スタイルを想定して話すことができます。家族で早期に相続人の人生設計に応じた計画を立てることが可能となり、それぞれが納得できる道筋を見つけることにもつながります。

◆他にもあるメリット
 相続税の申告では贈与時の価額で評価されるので、土地や株式などの資産の価格が上昇する市場環境のもとでは税負担が少なくなります。また、地震や津波など災害で贈与を受けた財産が被害を受けたときは、相続時の評価額が減額されます。

◆小規模宅地の特例は適用不可
 なお、小規模宅地の特例は相続または遺贈で取得した不動産に適用され、贈与を原因とする相続時精算課税には適用されません。相続時精算課税は一度選択すると撤回できないので、相続財産に不動産があるときは、事前の検討が必要となります。

適用要件を再チェック! 短期前払費用の取扱い

◆会計上の「前払費用」とは?
 今回は、決算で何かと話題となる「短期前払費用」を取り上げます。
 会計(企業会計原則)では「前払費用」とは、次のように定義されています。
 『一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、いまだ提供されていない役務に対し支払われた対価をいう。』
 簡単に言うと、継続的役務(家賃、保険料、利息など)の先払い分のことです。
このようなものは、時間の経過とともに次期以降の費用となるものです。そのため、契約期間の経過に合わせて、次期以降の費用となる金額は、当期の損益計算から除去するとともに貸借対照表の資産の部に計上します(このような継続的な契約以外の契約等による「前払金」とは区別されます)。

◆税務上の「短期前払費用」とは?
 ただし、税務では、1年以内の「短期前払費用」について、収益との厳密な期間対応による計算をすることなく、支払時点で損金算入を認める特例が設けられています。企業会計上の重要性の原則に基づく経理処理を税務上も認めるというものです。
 この特例を適用するには、次のような要件を満たす必要があります。
(1)1年以内の役務提供であること
 支払った日から1年以内に提供を受けるサービス(役務)である必要があります。
 例えば、1年を超える分をまとめて支払った場合には、この特例は適用できません。
原則通り(月割計算等)となります。
(2)継続的な役務提供であること
 一定の契約に基づき、一定期間にわたり継続的に同じ質・量のサービスを受けるものであることが条件となります(家賃、保険料、利息がその典型例となります)。
(3)支払が完了していること
 決算期末までに、実際に代金の支払が完了している必要があります。
(4)継続適用すること
 一度この特例を適用した後は、毎期継続して同じ処理を行う必要があります。利益が出た年だけ節税目的で1年分支払うといった処理は認められません。
(5)収益との直接的な対応がないこと
 例えば、借入金を預金や有価証券で運用している場合の「支払利息」などは、運用の収益(預金の利息・株式の配当など)と厳密に対応させる必要があります。したがって、この特例の適用は認められません。

遺産分割で考慮すべき特別受益

 被相続人から生前贈与を受けていた場合、相続財産の分割だけでは課税の公平が保てないため、一定の配慮が行われます。

◆相続人の特別受益を相続財産に持ち戻す
 相続人に遺贈または婚姻、養子縁組、生計の資本としての贈与がされた場合、これらは特別受益とされます。特別受益の額は相続時の価額で相続財産の価額に加算(持戻しといいます)し、民法に規定する相続分で按分した額から遺贈または贈与の額を控除した額が各相続人の相続分となります。
 被相続人が持戻しの免除を意思表示したときは、その意思に従います。婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産の遺贈または贈与、配偶者居住権の遺贈も持戻し免除の意思を表示したものと推定されます。

◆持戻しの対象となる贈与の範囲
 子の結婚に際し、新生活を援助するためのまとまった金銭の贈与は特別受益に該当すると考えられます。生計の資本としての贈与は生活の基盤となる財産を指し、夫婦間の生活保持義務や親族間の扶養義務の範囲を超えるものは特別受益に該当します。子の学費は扶養義務の範囲であれば該当しませんが、住宅資金の贈与は非課税となるものであっても特別受益となります。

◆生命保険金の持戻しの扱い
 相続で受け取る生命保険金は、相続人固有の財産とされ、原則、持戻しの対象となりません。ただし、生命保険契約が保険金を受け取った相続人に対する被相続人からの贈与と同視され、相続人間の公平さを著しく欠くとされた場合は、特別受益となることが裁判で示されています。

◆未分割のときは持ち戻して相続税額を計算
 相続人に特別受益があったとき、これを持戻して相続税額を計算するのは、遺産分割協議が調わず、未分割となる場合です。遺産分割協議が調う場合は相続人間で任意に分割できます。

◆生前贈与加算と異なる加算期間
 被相続人から生前贈与があった場合、相続開始前7年以内に贈与された財産の価額を相続財産の価額に加算して相続税額を計算します(生前贈与加算)。加算対象期間は令和5年度税制改正により、相続開始前7年以内となりました。令和6年1月1日以後の暦年課税贈与により取得した財産について適用されます。
 一方、特別受益については受益の時期にかかわらず、全ての期間に行われた贈与が持戻しの対象となります。
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上原章裕税理士事務所
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