16年以上不動産業界に携わった経験を活かし、大阪市淀川区で不動産融資に特化した 不動産税理士
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事務所だより:

★事務所だより10月号★

発行日:2025年10月07日
いつもお世話になっております。

秋の気配も次第に濃くなり、穏やかな季節になってきました。
いかがお過ごしでしょうか。

それでは、今月の事務所だよりをお届けします。

2025年10月の税務

10月10日
●9月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

10月15日
●特別農業所得者への予定納税基準額等の通知

10月31日
●8月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●2月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の2月、5月、11月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の7月、8月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(6月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>

○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第3期分)(10月中において市町村の条例で定める日)

相続税と所得税の二重課税

 相続で取得した財産について相続税が課された後、同じ財産に所得税が課されると二重課税となって所得税の非課税規定が適用される場合があります。

◆二重課税を排除した長崎年金訴訟
 相続税と所得税の二重課税を認めたのが平成22年の長崎年金訴訟です。最高裁では相続で取得した定期金給付契約により将来にわたり受け取る保険金の現在価値に課された相続税と、取得した保険金の元本部分に課された所得税が二重課税になるとした上で所得税の非課税規定が適用されました。

◆所得税の課税根拠は包括的所得概念
 所得税が課税される根拠は、包括的所得概念と呼ばれるものです。金子宏教授「租税法」によれば、包括的所得概念とは、人の担税力を増加させる経済的利得が、すべて所得を構成すると考えます。一時的・偶発的・恩恵的利得も所得の範囲に含まれ、債務免除益のほか、現物給付、為替差益などの経済的利益にも課税され、不法な手段による利得も納税者が管理支配しており、課税の対象となります。

◆所得税の非課税規定
 相続税及び贈与税は相続、贈与、遺贈により取得した財産の経済的価値に担税力を認めて課税されますが、相続財産、贈与財産の経済的価値と同一の経済的価値に対しては所得税を二重に課税しないとするのが所得税の非課税規定の考え方です。

◆譲渡所得に二重課税は生じない
 相続で取得した土地を譲渡した場合、相続財産に課された相続税と被相続人の保有期間中に生じた土地の含み益が譲渡により実現して課された譲渡所得税は二重課税となりません。判例では相続により取得した土地と被相続人の土地保有期間中のキャピタルゲインに同一の経済的価値に対する二重課税が行われることを認めていません。

◆債務免除益に二重課税は生じるか?
 被相続人の借入金について一定金額を期日までに弁済すれば残額を免除するという停止条件付債務を承継した相続人が、相続の後に受けた債務免除益について所得税が課されたため、相続税と所得税の二重課税が争われた裁判があります。一審は、債務免除を受けた時点が相続開始の後で二重課税ではないとしましたが、控訴審は、債務免除による経済的利益は相続開始の時に実質的に生じており、二重課税になるとして非課税規定の適用を認めました。課税庁は最高裁に上告しています。

社会保険加入対象の拡大

◆年金制度改正法可決・成立
 年金制度改正案が6月13日に国会で通ったことで厚生年金保険・健康保険の適用拡大が決定しました。この改正によりパート・アルバイトなどの社会保険加入対象の範囲がさらに拡大されます。今後の具体的な内容を見てみます。

◆企業規模要件の縮小・撤廃
 現在、社会保険加入の企業規模要件は、従業員数51人以上の企業に勤務している週の所定労働時間が20時間以上の短時間労働者です。2027年(令和9年)10月以降は企業規模を段階的に縮小し、2035年(令和17年)10月には完全撤廃になります。

◆賃金要件の撤廃
 「年収106万円の壁」として意識されていた、月額8.8万円(年収106万円)の要件も撤廃となります。撤廃の時期は、改正法の公布から3年以内の政令で定める日とされていますが、最低賃金1,016円以上の地域で週20時間以上働くと年額換算で約106万円となります。よって全国の最低賃金が1,016円以上となることを見極めて判断されます。

◆個人事務所の適用対象拡大
 現在5人以上の従業員を使用している法定17業種(弁護士・税理士・社会保険労務士等の法律・会計事務を取り扱う士業等)の個人事業所が社会保険加入対象になっています。今回の改正では、法定17業種に限らず常時5人以上の従業員を使用する全業種の事業所が適用対象となります。ただし施行時点の2029年(令和11年)10月に既にある事業所は当分の間対象外です。

◆支援策は?
 この改正で加入拡大の対象となる短時間労働者を支援するため、3年間、特例的、時限的に保険料負担を軽減する措置が実施されます。対象となるのは従業員数50人以下の企業などで働き、企業規模要件の見直しなどにより新たに社会保険の加入対象となる、標準報酬月額が12.6万円以下の短時間労働者です。
 また、正社員化や労働時間の延長や賃金アップに取り組むことで支給される助成金もあります。
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