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【時事解説】新NISAは眠れる獅子を目覚めさせるか その1



 我が国は低金利が余りにも長く続き、金利上昇に脆弱な体質になっています。第一に巨額の国債を抱えた国家財政は金利上昇の直撃を受けます。次に、量的金融緩和で大量の低金利の国債を所有している日銀は、金利が上昇すれば、(決算上は表面化しないとしても)保有する国債に多額の評価損を生じます。また、銀行からの借入で何とか息をついている青息吐息の企業も金利が上昇すれば、とどめを刺されるかもしれません。そして、変動金利の住宅ローンを抱える個人は重くなる返済負担に苦しむことになり、それに伴い低利の住宅ローンに支えられた住宅価格の下落も予想されます。

 そんなことを考えれば、日銀が欧米諸国のように利上げに踏み切れないのも無理のないことのように思われます。たとえ、利上げするとしても、できるだけマイルドにしようとするでしょう。この金融状況をバックで支えているのは、低金利を甘んじて引き受ける国民の膨大な国内貯蓄です。ほとんど金利ゼロでも増え続ける国内貯蓄の存在が低金利を維持させているのです。しかし、この「眠れる獅子」がいつまで眠り続けてくれるか分かりません。「眠れる獅子」を覚醒させかねない次のような状況があることに注意しなければなりません。

 バブル崩壊後長く続いたデフレの時代は、物価が下がるのですから、利息はゼロでも貯蓄の実質的価値は減少せず、かえって増加しました。預金が最も確実な資産運用ということもできました。ところが、インフレ時代になると様相を異にします。モノの値段は上がるのに、預金に利息がほとんどつかない状況では、貯蓄は実質的に目減りをしていきます。庶民は、ドルをはじめとした海外金利が高くなるのを横目に、ほとんどゼロ金利のままの国内貯蓄を継続することに疑問を感じ始めるようになっています。そこに新NISAが登場します。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
2025年5月7日更新
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