B型肝炎ワクチンの接種費用
夫がB型肝炎になったため、医師の勧めにより妻がB型肝炎ワクチンを接種した場合の費用は、医療費控除の対象になりますか。


答え
原則として医療費控除の対象となります。
 海外旅行を行う際に予防接種を受ける場合の費用のように疾病の予防のための費用は、医療費控除の対象とはなりません。したがって、B型肝炎ワクチンの接種についても、B型肝炎の予防のためにのみ行われる場合、それに要する費用は医療費控除の対象とはなりません。
  しかし、B型肝炎の感染経路の主なものは血液による感染、性的接触による感染及び母子感染であり、B型肝炎にかかっている者の介護に当たる家族に感染する危険性が非常に高いため、その家族にB型肝炎ワクチンを接種することは、医師によるB型肝炎の患者の治療の一環として不可欠であるといわれています。このようなことから、B型肝炎の患者の親族(その患者と同居する者に限ります。)のB型肝炎ワクチンの接種に要した費用については、医師による診療又は治療を受けるため直接必要な費用として医療費控除の対象に取り扱われています(昭63直所3-23)。
  なお、B型肝炎ワクチンの接種に要した費用について医療費控除を受けるためには、B型肝炎にかかっており医師による継続的治療を要する旨の記載のある医師の診断書と、B型肝炎ワクチンの接種に要した費用の領収書を、確定申告書に添付するか、確定申告書を提出する際に提示することが必要です。(所得税法施行令第207条、昭63直所3-23)
 平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

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