スタートアップ、アーリーステージから上場、M&Aまで経営者の立場に立って総合的にサポートいたします。
事務所だより:

公認会計士・税理士・M&Aシニアエキスパート 久次米会計事務所 事務所だより

発行日:平成33年11月
シニア・プライベートバンカー(日本証券アナリスト協会認定)

お世話になっております。
事務所通信をお送りします。

フェイスブックでも同内容を月1回配信しております。
https://www.facebook.com/kujimecpa.office/

税務情報HPもどうぞご利用ください。
http://www.kaikei-home.com/kujime/
目次
2021年12月の税務
生命保険金の相続税申告
遺贈寄附という選択
個人事業主の家賃按分

2021年12月の税務

12月10日
●11月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の住民税の特別徴収税額(当年6月〜11月分)の納付

翌年1月4日
●10月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●4月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の1月、4月、7月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の9月、10月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(8月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>

○給与所得者の保険料控除申告書・配偶者控除等申告書・住宅借入金等特別控除申告書の提出(本年最後の給与の支払を受ける日の前日)
○給与所得の年末調整(本年最後の給与の支払をするとき)
○固定資産税(都市計画税)の第3期分の納付(12月中において市町村の条例で定める日)

生命保険金の相続税申告

 生命保険金は、相続に際して節税商品や納税資金として利用されますが、うっかりして相続税の申告が必要なことに気付かないまま、税務調査で申告漏れを指摘される事例が今年に入って増えています。多くは納税者の誤解や失念、税理士への事前説明が漏れたことによるものですが、税務署に隠蔽仮装と指摘されて思わぬ税負担を求められることがあるので注意が必要です。

◆生命保険金は相続財産ではない
 生命保険金は相続によって被相続人から承継されるものではなく、保険金受取人の固有の財産であるため、遺産分割の対象とはなりません。また、被相続人が生前、相続人に贈与した生計の資本、養子縁組や婚姻のための贈与(特別受益)にも該当しないため、生命保険金は相続税の申告対象にはならないと思うかもしれません。

◆相続税では相続財産とみなして課税される
 しかし、相続税では被相続人が保険料を負担した生命保険金も申告対象となります。民法上の相続財産ではありませんが、経済実質的には、被相続人の死亡によって財産を取得するので、相続財産又は遺贈財産とみなして相続税が課税されます。その際、法定相続人1人当たり500万円の非課税措置があるので、限度額を超える部分のみの課税で済みますが、申告が必要なことに変わりはありません。
 なお、生命保険金は特定の相続人だけが取得するので遺産分割で考慮すべきか気になるところですが、判例には保険金の額、遺産総額に対する比率、同居の有無、被相続人に対する介護の度合い、各相続人の生活実態などの諸事情を総合考慮して相続人の間で不公平が是認できないほどに著しい特段の事情がある場合は、特別受益に準じて持戻しの対象と解するのが相当であると判示したものがあります。

◆申告漏れとならないように
 税務調査で生命保険金の申告漏れが判明した場合、不足税額に加え、延滞税(納付遅延期間の利子に相当)や過少申告加算税(10%又は15%)が課されます。また申告漏れが隠蔽仮装であると認定された場合は、過少申告加算税に代えて重加算税(35%又は45%)が課され、税負担がさらに重くなります。相続人に生命保険金を受け取る人がいるときは、必ず契約内容を見て課税上の取扱いの確認を受け、申告漏れとならないようにしましょう。

遺贈寄附という選択

 いつか自身に起きる相続。これまでの人生を振り返り、生きた証として財産を社会に貢献する事業に役立てたい、そんな思いを伝える手段の一つが遺贈寄附です。

◆遺言による遺贈寄附と相続財産の遺贈寄附
 遺贈寄附とは、国や地方公共団体、公益法人等に、財産を遺言で贈与すること、及び、被相続人の生前の意思を引継いだ相続人が、相続財産を贈与することをいいます。

◆遺贈寄附の手続き
 まずは遺贈先の選定です。新聞、雑誌、TVの報道、ネット情報から社会貢献する団体の活動に触れて支援する法人を探します。
 紛争地帯で医療や住居などを支援するNPO法人は、寄附先としてお馴染みですが、最近は博物館や地方自治体の動物園など、親しんだ団体に遺贈する人もいるようです。
 寄附は現金のみ受付し、不動産は売却、換金したうえで遺贈を求める団体が多数ですが、不動産を受け入れる団体もあります。
 遺贈先が決まったら、遺言執行者を選定して遺言書を作成します。税理士をはじめ、弁護士、司法書士、行政書士など専門家に相談しましょう。遺言は公正証書遺言、または自筆証書遺言を選択できます。

◆不動産等の遺贈は譲渡所得課税に注意!
 土地や建物、株式など譲渡所得の基因となる財産を法人に遺贈した人には、その財産の取得から遺贈時までの値上り益に譲渡所得税が課されますが、国税庁長官に申請して承認を受けた場合は非課税となります。
 ただし、遺贈した人の所得税の負担や、遺贈した人の親族のほか特殊関係人の相続税、贈与税の負担を不当に減少させる場合には、非課税承認は取り消され、遺贈した人、又は遺贈先の法人に譲渡所得税が課されることになるので注意を要します。
 また、相続人が被相続人の意思を引継ぎ、相続財産を国や地方公共団体、公益法人等に贈与する場合にも相続税を非課税とする制度があります。この場合も不動産等の贈与について譲渡所得税を非課税とするには、国税庁長官の承認が必要です。

◆相続人の遺留分にも配慮を忘れない!
 社会の高齢化が進むなかで遺贈寄附の希望者も増えていくのではないでしょうか。ただし、相続財産には遺留分があります。遺贈寄附を決めるときは、相続人の遺留分にも配慮して後でトラブルが生じないよう検討することを忘れないようにしましょう。

個人事業主の家賃按分

◆家賃は按分して経費になる
 自宅で仕事をしている個人事業主は家賃を経費にできますが、その場合の家賃は事業用だけではなく、個人の生活のために払っている費用も含まれています。
 国税庁のWebサイトを参照してみると、経費にできるのは、
(1)総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
(2)その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額
と説明されています。簡単に言うと経費になるのは「事業を行う上で直接発生した費用だけ」ですから、事業主部分の家賃と生活のための家賃を分けて、事業主部分の家賃は経費となるわけです。

◆按分の方法と注意点
 「按分の方法」については、実績が問われますから、利用した時間や使用している面積などを参照します。賃貸の場合は家賃を、持ち家の場合は減価償却費を按分することになります。
 大切なのは按分した金額の根拠を税務署に聞かれた時に、客観性のある根拠に基づいて説明できるか、ということです。例えば賃貸契約書や間取り図、家賃の支払いが分かる通帳記録、自宅での作業時間を記録していたもの等、根拠となり得るものを揃えておく必要があります。
 ただし、配偶者や親族に支払う地代家賃は経費になりませんから、注意が必要です。また、家賃按分については白色申告の場合、事業用の割合が5割を超えていなければ認められません。

◆住宅ローン控除適用にも注意
 持ち家で居住・事業両方に利用している住宅を建て替える際、住宅ローン控除が適用されるのは事業用部分が50%未満の場合となります。また、居住部分が50%以上であっても、住宅ローン控除が適用されるのは居住用部分のみとなるため、持ち家の事業分の減価償却費を按分した結果、その割合分は住宅ローン控除が受けられなくなります。
事務所だより:
お気軽にお問い合わせください。
公認会計士・税理士 久次米会計事務所