発行日:平成36年09月
2024年10月の税務
10月10日
●9月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
10月15日
●特別農業所得者への予定納税基準額等の通知
10月31日
●8月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●2月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の2月、5月、11月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の7月、8月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(6月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第3期分)(10月中において市町村の条例で定める日)
従業員の介護離職を防ぐには
◆介護離職にまつわる動向
今後予定される育児介護休業法の改正の中で、仕事と介護の両立のさらなる実現に向けて、事業主の義務が強化されることが見込まれています。強化の背景には、介護離職が社会問題となっている一方で、法制度上の両立支援制度が十分に利用されていない実情があります。東京商工リサーチの調査によれば、介護離職者の54.5%が、「両立支援制度を利用していない」と回答しています。人手不足が深刻な問題である中小企業こそ、中心メンバーである従業員を介護離職で失うことは、大きな経営リスクになりかねません。改めてこの問題を考えてみましょう。
◆両立支援制度を利用しない理由
なぜ、介護離職者の半数以上が、両立支援制度を利用していないのでしょうか。令和3年度の厚生労働省の委託調査によれば、最も多い原因は「勤務先の問題」で、その中でも、「両立支援制度が整備されていなかった」の回答が約6割となっています。そもそも介護休業制度が整備されていないなどの根本的な問題であれば、早急に整備する必要がありますが、より深刻なのは、自社に制度が整備さているにもかかわらず、介護離職が起きてしまうことです。
これには、「従業員の制度に対する誤解」や「プライベートな問題でもあり企業が実態を把握するのが難しい」などの原因が考えられます。
◆自社に必要なことを考える
育児介護休業法における、介護休業の日数は93日です。誤解が多いのですが、この期間は、従業員自身が介護をすることを目的に、設けられたものではありません。あくまでも必要な介護に関して、行政機関や民間サービス会社などに相談したり、介護に必要な申請をしたりするための期間として設けられたものです。
これらを踏まえて、企業としては従業員がまずは職場内で相談できるような環境を整備すること、また、その前段階として、プライベートな側面が大きい問題であっても、相談しやすいように日頃から従業員との円滑なコミュニケーションを図るなど、自社にできることを考えてみてください。もはや介護の問題は、従業員個人の問題だけではありません。企業の介護支援は、福利厚生を超えた重要な人事戦略となっています。
交際費から除外される接待飲食費の金額基準
◆令和6年度の交際費に係る改正
令和6年度税制改正により、交際費等の範囲から除外される接待飲食費の金額基準が1人当たり1万円以下(改正前5000円以下)に引き上げられました。物価高や経済活動の活性化の観点からの改正とのことから、従来のように事業年度単位での適用関係ではなく、税制改正法施行日の令和6年4月1日から即適用とされています。例えば、12月決算法人であっても、次期の期首日以降の適用ではなく、今期の期中中途である令和6年4月1日以後に支出する接待飲食費から、1万円基準で判定して適用することになっています。
◆交際費課税は決済日での判定ではない
クレジットカード等での支払いの場合で、令和6年4月1日以後の支払いであったとしても、接待飲食等の行為があった時が同年3月以前である時は、1万円基準での判定とすることにはならず、従前の5000円基準で判定して、交際費の額を算定することになります。つまり、接待飲食等の実行日ベースで適用することになります。
◆法人規模別の交際費課税の内容
因みに、交際費についての措置法の規定は、資本金百億円超の法人では全額損金不算入、資本金1億円超の法人では交際費のうちの接待飲食費の50%が損金算入、資本金1億円以下の法人では交際費のうちの接待飲食費の50%か、年800万円の定額控除限度額かが損金算入、とされています。
◆交際費での接待飲食費
接待飲食費とは、得意先等を接待して行う飲食その他これに類する行為のために要する費用で、飲食代のほか、業務遂行や行事の際に差し入れる弁当代、飲食等のために飲食店等に直接支払うテーブルチャージ料やサービス料なども含まれます。
交際費除外計算新基準の1万円は、1人当たりの接待飲食費の金額が1万円以下の場合での適用であり、1万円を超える場合は、1万円までが交際費除外対象となるのではなく、その全額が交際費等に該当するものとされます。
◆交際費除外計算のための適用要件
接待飲食費の交際費除外の適用要件として次の事項を記載した書類の保存が要求されています。
一 飲食年月日
二 飲食参加者名と関係
三 飲食参加者数
四 飲食額、店名、所在地
五 飲食事実の明示事項