発行日:2016年08月08日
平成28年8月の税務
8/10
●7月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
8/31
●6月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●12月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の3月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の5月、6月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(4月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
●個人事業者の当年分の消費税・地方消費税の中間申告
○個人事業税の納付(第1期分)
○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第2期分)
介護休業給付金の支給率アップ
◆8月より支給率を引き上げ
雇用保険の介護給付金はこれまで休業開始時の賃金の40%でしたが、平成28年8月以降に開始する介護休業からは支給率が67%になります。支給額の比較をしてみると休業開始時日額1万円の方が3ヶ月(1ヶ月を30日として)介護休業を取った場合の総支給額で見てみます。
1ヶ月の30万円×40%=12万円。3ヶ月で36万円が最大支給額でした。新しい支給率の場合は1ヶ月30万円×67%=20万1千円、3ヶ月で60万3千円とかなり引き上げられています。又、介護休業給付金の算定基準となる賃金日額の上限額も8月1日以降に開始する介護休業から引き上げられます。
◆年齢区分適用ランクの変更
介護休業給付金の算定基準となる賃金日額の上限は雇用保険の賃金日額の上限(一定の年齢ごとに区分)を基に決められています。これまでは「30歳から44歳までの賃金日額の上限額」を適用していましたが、平成28年8月1日以降に開始する介護休業からは「45歳から59歳まで」の賃金日額の上限額」を適用します。
支給率をアップしたり上限額の年齢区分適用ランクを引き上げたりは、働き盛りの人が介護休業を取得するようになった時に備えていると言う事でしょう。
又、8月1日以降に介護休業を開始した方で支給対象期間中に賃金の支払いがある場合、賃金額が「休業開始時の賃金日額に支給日数をかけた額」に対し13%を超える時には支給額は減額され80%以上支給される時は給付されません。
◆介護休業の分割取得
介護離職問題がクローズアップされる中、改正によって仕事と介護の両立支援制度の見直しも行われています。これまでも育児介護休業法では介護休業の規定はありましたが、休業日数が原則1回に限り93日までの取得に限定されていました。そこで3回を上限に分割取得できるようになります。
介護休暇日数は現在年5日で、それは変わりませんが半日単位の取得も認められるようになります。平成29年1月から施行の予定です。
マイナンバーと外国人雇用
◆マイナンバーは外国人にも
マイナンバー制度では日本に住民登録のあるすべての人に個人番号が付されます。
かつて外国人の方は「外国人登録制度」という外国人の住民専用の記録制度により情報が管理されていました。しかし、平成24年7月にこの制度が廃止され、現在は外国人も日本人同様、住民基本台帳で管理されていますので、外国人であっても住民登録が必要な90日以上の滞在許可を持つ方にはマイナンバーが付番されています。
◆マイナンバーと副業
マイナンバー導入については「会社に副業がばれてしまうか?」という不安の声が数多く寄せられていました。マイナンバー制度は役所等法律で決められた機関に対しての手続にしか使用できないとされています。たとえ役所側で副業を把握したところで、役所から勤務先へその事実を通知することは考えにくいため、制度の導入だけで副業が知られる可能性は低いとされているようです。
◆留学生の掛け持ちアルバイト
しかし、各勤務先での収入がマイナンバーにより紐づけられ、役所側に対しては収入実態がガラス張りになります。こうなった場合、外国人は日本人と少し事情が異なります。
たとえば留学生の場合、アルバイトをしても良いとされている稼働時間は週28時間まで(長期休暇中は1日8時間まで)です。労働時間を守ればアルバイトの掛け持ち自体が否定されているわけではありませんが、すべての勤務先できちんと労働時間の管理がされているとは限りません。しっかりと労働時間が管理されていない場合、雇用主や留学生自身も知らないうちに勤務時間を超過してしまい、マイナンバー制度により知り得た雇用情報や納税情報から、結果的に週28時間以上の就労をしている事実が発覚しやすくなるという可能性は捨てきれません。この事実が発覚すると、最悪の場合、留学生自身は在留期間の更新や就職時の在留資格変更が認められないこともあります。
今後、マイナンバーの運用がどのようになるかはまだわからないものの、いずれにしても、雇用主としてはしっかりとした労働時間管理で予防したいところです。
どっちが優先? 遺言と遺産分割協議書
◆年々増える遺言作成件数
相続・遺言に対する関心は年々高まっており、平成26年1月〜12月に全国の公証役場で作成された遺言(公正証書遺言)は10年前から約4万件も増加し、ついに10万件を超えました。家庭裁判所で扱われた遺産分割事件も同様に増加傾向にあり、こうした背景も影響していることがうかがえます。故人の遺志をできるかぎり尊重したいものですが、遺言を書いたときと相続時では家族の状況が変わってしまうということもあります。では、遺言の内容と異なる遺産の分割をすることは可能なのでしょうか。
◆遺言と違う遺産分割は可能?
相続人の間で遺産分割の方法を話し合うことを遺産分割協議と言い、その結果を書面にしたものが遺産分割協議書です。
判例では、①遺言によって遺産分割協議が禁止されている場合、②遺言執行者が選任されている場合を除き、遺言と異なる内容の遺産分割協議をすることは事実上認められています。実際、遺言と異なる遺産分割の方法を協議することは珍しくありません。
しかし、だからと言って全て遺産分割協議書が遺言に優先する、という意味ではありません。遺言の内容によっては注意が必要です。
◆遺産分割の方法が指定された遺言
過去、最高裁では、特定の財産を特定の相続人に相続させる内容の遺言の場合、遺言者の死亡によって、財産は直ちに確定的に相続人に帰属するとした判決が行われました(平成3年4月19日最高裁判決)。「特定の財産を特定の人に相続させる内容」とは、たとえば「長男○○に埼玉県××の土地を相続させる」というのがこれにあたります。この場合、その後に行った遺産分割は本来の意味での「遺産分割」ではなく、相続人間の取引として財産が移転するものとされています。
その結果、不動産の相続登記を行う際、遺産分割協議の結果をすぐさま登記できず、まずは「遺言に基づく登記」をした後、「相続人間の取引の登記」の二段階で申 請しなければならないなど、相続事務に支障をきたすことがあります。こうなると手続き費用も手間も二重にかかってしまいますので、注意が必要です。