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《コラム》相続時精算課税と暦年贈与 暦年は谷型、精算は山型



◆贈与税の二つの方式の適用状況
 贈与税には、相続時精算課税方式と暦年課税方式の二つがあります。
 直近の国税庁の公表によると、暦年課税適用者は39.1万人、相続時精算課税適用者は4.6万人です。ここ10年ぐらいを概観すると、暦年贈与は平成20年を谷底(27.3万人)とした形で、最近5年は一貫して増加しています。それに対して、相続時精算課税は平成15年の制度創設時の7.8%から数年8%前後で推移し平成19年(8.9万人)を頂点とし、なだらかな山型でそれ以後一貫して減り続けています。

◆相続税がバクチを取り込む
 相続時精算課税は、当初は期待を込めて適用する人がそれなりにおりましたが、受贈財産である不動産や株式が相続時に大幅な値下がりをしていても、逆に、大幅に値上がりしていても、相続財産として合算される金額は贈与時の時価となることになっており、相続税にこのようなバクチ的要素が持ち込まれていることに、リスクを察知しているからではないかと、思われます。

◆孫への制度拡張が起死回生策となるか
 平成27年以後の贈与から、相続時精算課税制度の適用対象が孫にまで拡大されることになりましたので、その年からは選択適用者数の減少が増加に転ずると期待されているのでしょうが、多分、期待に反して減少傾向に歯止めがかからないことになるのではないかと推測されます。

◆相続時精算課税が今後とも不人気の理由
 平成27年以後の相続税の基礎控除40%カットによって、相続時精算課税制度の絶対的適用有利者である、相続税のかからない層に属する人数が圧縮されます。
 また、平成27年以後の相続税の高額納税者への税率アップで、最高税率に近い人ほど、相続時の追加納税が大きくなるので、相続時精算課税制度を敬遠することになると思われます。
 それに孫は1親等の血族ではないため、相続税の2割加算の対象者となり、事前に20%で納付していた贈与税と、55%×1.2=66%となる相続税額との差額を追加納税する必要となる場合があり、有利選択とはなりにくいです。
 逆に、平成27年以後の贈与税では、20歳以上の孫ならば、暦年贈与の税率が緩和されるので、それを利用して、中長期にわたる贈与を実行していくほうが、有利選択になると思われます。
2014年1月20日更新
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