目次
2024年12月の税務
結局どうなった?電子取引データの保存方法
スポットバイトの課税と労働管理等(雇用会社側の観点から)
2024年12月の税務
12月10日
●11月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の住民税の特別徴収税額(6月〜11月分)の納付
翌年1月6日
●10月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●4月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の1月、4月、7月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の9月、10月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(8月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
○給与所得者の保険料控除申告書・配偶者控除等申告書・住宅借入金等特別控除申告書の提出(本年最後の給与の支払を受ける日の前日)
○給与所得の年末調整(本年最後の給与の支払をするとき)
○固定資産税(都市計画税)の第3期分の納付(12月中において市町村の条例で定める日)
結局どうなった?電子取引データの保存方法
◆大騒ぎした電子帳簿保存法
電子帳簿保存法の電子取引データの保存は、令和6年1月からは保存要件に従って行うことが義務付けられました。ただし、令和5年までに措置された「宥恕措置」に代わり令和6年からも「猶予措置」が用意されており、なし崩し的に緩やかなルールに落ち着いたという感想です。
実際に個人事業者・法人が「最低限何をやらなければならないのか」を見てみましょう。
◆最低限の前に、求められていること
電子取引データのデータ保存には大きく2つのことを求められています。「可視性の確保」と「真実性の確保」です。
可視性の確保とは、モニタや操作説明書の備付けと検索要件の充足で、真実性の確保とは、不当な訂正削除の防止に関する事務処理規定の制定と遵守です。要するに取引データをPCで検索できるようにしておくのと、データの訂正や削除をする際の規定を作っておきなさい、ということです。
ただし、検索要件については、2課税年度前の売上高が5,000万円以下か、電子取引データをプリントアウトして日付及び取引先ごとに整理してあり、電子取引データの「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしていれば不要です。
◆最低限必要なのは「できない理由」?
電子取引データの保存の要件を満たせない場合でも「猶予措置」が設けられていて、その要件は「ルールに従って電子取引データを保存することができなかったことについて、所属税務署長が相当の理由があると認める場合」と「税務調査等の際に、電子取引データのダウンロードの求めか、電子取引データを印刷したものの提示や提出の求めに応じることができるようにしている場合」を満たしていることです。ちなみに「相当の理由」について事前申請等は不要です。
つまり、「人手不足」「資金不足」「システム整備が間に合わない」等のできない理由の準備と、電子取引データを消さないように保存しておけば、現状最低限、電子取引データの保存については大丈夫ということになります。
ただ、経理のICT化・DX化は生産性UPにも繋がります。電子帳簿保存についても、自社のタイミングでルール策定やシステム改修をご検討ください。
スポットバイトの課税と労働管理等(雇用会社側の観点から)
◆雇用側・労働側双方に魅力ありの形態か?
時代を映す鏡ともいわれるテレビ広告で、最近、“すき間時間に単発で働こう!”といった雇用の形をよく目にします。雇う側では、“忙しい時にだけ単発でほしい働き手を、長期雇用責任の縛りなく、確保できる”から、一方の働く側では、“働きたいときだけ、履歴書を提出する採用面接を受けずに働けるし、給料もすぐに受け取れる”からといった理由が背景にあるようです。
単発とはいえ、労働者を雇う以上、雇用側では、給与の源泉所得税の事務手続きと労働管理の取り扱いが発生します。
◆源泉徴収と年末調整、消費税
人材派遣の場合は、派遣される人の給与や労働管理は派遣元の会社が行います。派遣を受ける方(=働いてもらう会社)は派遣会社に外注費+消費税を支払うだけとなります。一方、スポットバイトの場合は、働いてくれる人とは労働契約を結び、給与を直接支払います。紹介(仲介)会社へは紹介料+消費税を支払います。給与の支払いも労働管理も雇い入れ側が行います。
給与の支払いは時給もしくは日給で労働日ごとに支払われます(=日雇い賃金)ので、源泉徴収票は丙欄の適用となります。そのため、日額が9,300円以上の支払いから源泉所得税を差し引いて支給することになります。
スポットバイトはそもそも短期の雇用で継続性を前提としていません。そのため、2か月を超えたらその時点から正式雇用に切り替えて甲欄または乙欄適用に切り替えることや年末調整の対象となるといったことは、まずは考慮しなくて構いません。
◆社会保険と労働保険の適用
2か月を超えない短期労働者は健康保険・厚生年金保険の加入対象外です。そのため、社会保険の手続きは不要です。
スキマバイトは労働者ですので、雇用側での労務管理が必要です。正規に勤務先を持っていて副業として働いている場合など、それぞれの事業場の労働時間を通算して管理しなければなりません。また、仲介会社が2社以上の場合はさらに複雑となります。雇う側は、やらなければならない業務やリスクを把握し、働く人が安心・安全に働けるよう労務管理を徹底しなければなりません。こうなるともう、社会保険労務士にサポートしてもらうことを強くお勧めします。