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事務所だより:

今月の事務所だより

発行日:2026年05月31日
いつもお世話になっております。

目次
①「利益が下がれば株価も下がる」とは限りません
②節税すると資金繰りが悪化する ──根本的なメカニズム──
③固定費と変動費を知れば、経営が見えてくる

「利益が下がれば株価も下がる」とは限りません

事業承継・相続対策として株価を下げたいとお考えになる経営者の方は多くいらっしゃいます。しかし、利益が下がったからといって株価が必ず下がるとは限りません。評価の仕組みをご理解いただくことが大切です。

【非上場株式の評価の仕組み】
財産評価基本通達では「類似業種比準方式」と「純資産価額方式」があります。前者は配当・利益・純資産の3要素で計算し、一般的に純資産価額方式より大幅に低い株価となります。

【見落とされがちな落とし穴】
類似業種比準方式は3要素すべてがゼロになると使えません(財基通189)。また直前期・直前々期の2期連続で2要素以上がゼロの場合は「比準要素数1の会社」として特定評価会社に該当し、純資産価額方式が原則適用となります。

利益が出ない状況が続くと、低株価につながるはずの比準方式が使えなくなり、かえって純資産価額で高く評価されることがあります。

節税すると資金繰りが悪化する ──根本的なメカニズム──

税を減らすために支出を増やすと、手元資金は確実に減ります。

比較項目 節税しない 
利益(税前) 1,000万円    
経費追加支出    0円     
法人税(30%)  300万円     
会社に残るお金  700万円     

比較項目 法人税を下げるために300万円の経費支出をした 
利益(税前) 1,000万円    
経費追加支出  300万円     
法人税(30%)  210万円     
会社に残るお金  490万円 

会社に残るお金は210万円も少なくなってしまいます。

法人だけでなく個人事業者の方も同様です。

固定費と変動費を知れば、経営が見えてくる

「売上は上がっているのに、お金が残らない」「少し売上が落ちただけで、一気に赤字になった」変動費と固定費の仕組みを理解して経営判断に活かすポイントをお伝えします。

基本を学ぶことに重点を置いているので基礎的な考え方を伝えます。

変動費とは、売上高に連動して増減する費用のことです。具体的には、商品仕入高です。製造業・建築業では、材料仕入高、外注費が代表例です。

固定費とは、売上に関係なく毎月必ず発生する費用のことです。具体的には、販売費及び一般管理費です。
製造原価については製造原価合計額から変動費(材料仕入高・外注費)を差し引いた支出を固定費とすると分かりやすいです。

固定費で最も金額が多くなるのが人件費です。
人件費とは、給与賞与の総支給額と会社負担の社会保険等の法定費用の合計金額です。

売上高から変動費を差し引いた金額が限界利益です。限界利益を売上高で割った数値が限界利益率です。本来は限界利益を粗利益、利益率と言います。
決算報告書の売上原価・売上総利益の金額とは異なります。

固定費÷限界利益率=損益分岐点売上高となります。営業利益が0円(トントン)となる売上高です。

決算書の損益計算書を変動費と固定費に組み替えたものを変動損益計算書と言います。

損益分岐点売上高を低くすることを意識すながら経営判断を行うことが大切です。そのための方法として以下の2つがあります。

①限界利益率(利益率)を高くする。
②固定費を削減する。

実際問題として①の利益率の高くすることは非常に難しい。②の経費削減から見直すケースがほとんどです。

損益分岐点売上高に達していない場合は、早急に対策を講じなければなりません。
赤字はもちろん、会社の現金預金が減っています。

そのために運転資金補填目的の融資を繰り返すとどうなるか、財政が悪化します。その先は・・・
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