当事務所は、法人税・所得税・消費税等の各種税務申告および記帳支援業務を中心に、地域の皆様の税務・会計業務を誠実に支援しております。
事務所だより:

今月の事務所だより

いつもお世話になっております。

【目次】
法人へ不動産を「安く」売る前に
膨らんだ「役員借入金」は、家族への“負の遺産”になりかねません

法人へ不動産を「安く」売る前に

節税を意識して法人、とりわけ一人社長の「マイクロ法人」をお持ちになる方が増えています。その流れで、「自分や家族が持つ不動産を、自分の法人へ安く移しておこう」と考える方もいらっしゃいます。しかし、身内で決めた価格が税務上そのまま認められるとは限りません。売る側にも買う側にも課税が及び、手間をかけた割に報われない結果になりがちです。

【身内で決めた価格でも、税務上当然には認められません】
個人が法人へ不動産を売る場合も、原則として実際の売買代金を基に税金を計算します。ただし、その価格が時価と比べて著しく低い場合には、法人側では時価との差額が利益として課税され、個人側でも時価で売却したものとして課税されることがあります。判断の物差しは、「第三者同士なら、その価格で売買したか」です。

【売る側・買う側の両方に課税が及びます】
・買う側(法人)→時価と支払代金との差額は「受贈益」となり、法人税の対象になります。安く買った“お得分”が、そのまま法人の利益になります。
・売る側(個人)→時価の2分の1未満で売ると「みなし譲渡」となり、実際の受取額が少なくても、時価で売ったものとして譲渡所得税が計算されます。


つまり、安くした差額は消えてなくなるのではなく、法人・個人・場合によっては他の株主へ、形を変えて課税されます。安く売ったつもりが、かえって重い負担を招くことがあります。
不動産を法人へ移すこと自体が悪いわけではありません。問題は、不自然に「安い価格」で移すことです。不動産会社の査定などを参考にして慎重に決めましょう。

膨らんだ「役員借入金」は、家族への“負の遺産”になりかねません

法人税を少しでも減らしたいという思いから経費を増やし、会社に支払う資金がないため、社長が個人のお金で立て替える。この繰返しで、貸借対照表の「役員借入金」が膨らんでいる会社があります。役員借入金は違法な勘定ではありません。しかし、相続・会社清算・事業承継の場面では、大きな障害となります。

【なぜ役員借入金は増えるのか】
①社長が会社経費を立て替えたまま精算しない
②会社の資金不足を社長個人の預金や借入れで補う
③未払いの役員報酬や社長が投入した運転資金を役員借入金として処理する

例えば社長が経費を立て替えると、会社では経費が計上されますが、会社から現金は出ておらず、同額の「社長に対する返済義務」が残ります。
これを毎年繰り返せば、残高は雪だるま式に増えていきます。

【なぜ“得策”ではないのか】
・相続→社長から見れば、役員借入金は会社への貸付金債権です。相続財産に含まれます
・法人清算→会社を消滅させるつまり清算時には、資産も負債も0円にしなければできません。昔と違って現在は損益法処理と決まっています。最終的に役員借入金が残ったら雑収入(債務免除益)と処理します。役員借入金は0円となりますが雑収入(債務免除益)に対する法人税を納付して法人は清算です。
・会社譲渡・M&A→役員借入金が残ると、譲渡前に返済するのか、債権放棄する必要が生じてきます。譲渡条件に影響し、円滑な売却の障害になることがあります。

【解消への道】
①役員報酬を抑えて、会社に残った資金を返済へ回す。
②経費も削減して、会社に残った資金を返済へ回す。
③法人保有の資産を売却して、会社に残った資金を返済へ回す。
④債権放棄する→社長が債権の全部または一部を放棄する。放棄の金額が法人では雑収入(債務免除益)となる。

以上となります。
事務所だより:
北九州市戸畑区の税理士
北九州市戸畑区の税理士 戸田正義税理士事務所でございます。
電話:093-873-1112
受付時間:

9:00~17:00(平日) 

お問合せフォーム