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タワマン節税で当局が新ルール提示



 富裕層の相続税対策として活用されてきた「タワマン節税」について、国税庁はタワマンの相続税評価額を実勢価格の最低6割に引き上げる新たな計算ルールをこのほど提示しました。マンションの高層階ほど相続税が増える可能性があり、富裕層の節税策に大きな影響を与えそうです。新ルールは来年1月の適用スタートを目指します。

 国税庁が提示した新たなルールは、マンションの階数や築年数などを基に評価額を補正して引き上げるというもの。築年数や所在階、総階数、専有面積などを基に「一室の評価かい離率」を算出し、これに現行の相続税評価額や最低評価水準である「6割」を掛け合わせて最終的な評価額を割り出します。6割の基準は、一戸建て物件の実勢価格と評価額の平均かい離率(1.66倍)に合わせて設定したそうです。

 新ルールによっておおむね、実勢価格と評価額が大きく離れていた物件では、実勢価格の6割程度まで評価額が上がります。かい離率の高かった高層階ほど、これまでに比べて税負担が増えることとなります。

 マンションは階数が変わったとしても住戸面積が同じなら相続税を算出する際の評価額が変わらないため、これまでは同じマンションのなかでも1階住戸の実勢価格が5千万円、同じ広さの30階の住戸が1億円で、相続税評価額はいずれも2千万円とすると、実勢価格に対する評価額の割合は1階住戸なら40%、30階住戸なら20%という差が生まれていました。これを利用し、相続を見込んでタワーマンションの高層階を購入しておき、相続税を納めた直後に高額で売却するという「タワマン節税」が流行していました。

 こうした問題を受け、2023年度税制改正大綱では「相続税におけるマンションの評価方法については、相続税法の時価主義の下、市場価格との乖離の実態を踏まえ、適正化を検討する」と記載し、今年1月からは国税庁の有識者会議が新ルールを検討していました。

<情報提供:エヌピー通信社>
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