同業のライバルとの提携だと、企業秘密の保持や心理的ハードルもあり抵抗が強いことから、異業種企業との提携も選択肢の一つです。しかし、物流の共同化に見られるように、同じものを運ぶ方がコスト削減効果ははるかに高いので、異業種提携より同業種提携が選択されることになります。
というわけで、かつてはライバルとして競争していた同業ライバルとの提携が増えていくと思われます。物流や間接部門などを対象に業務提携を進めることになるのですが、そこで重要になるのが、自社の収益の源泉となるコア業務の位置づけです。企業は差別化を行うことにより付加価値をつけ、収益を上げるのですが、その収益の源泉となる業務は他社と提携することはできません。たとえば、「顧客の手元にいち早く届けること」をアピールポイントとしている会社は物流部門を統合してしまえば、自社の持ち味が消えてしまいます。しかし、商品力を訴求ポイントにしている会社であれば、物流部門の統合にそれほど抵抗はないでしょう。そうした会社は商品力を一層磨かなければなりません。
確かに、同業他社と業務提携することにより、当面の経費を圧縮し利益を増加させることはできるでしょう。しかし、自社の収益の源泉となるコア業務、すなわち他社との差別化をどこで図るかを明確にしておかないと、長期的には大きいところに飲み込まれてしまう危険性があります。
今後、どの業界でも業務提携は経営戦略の有力な選択肢になると思います。ただ、その際、経費削減効果を優先し、闇雲に提携するのではなく、他社との差別化、すなわち自社の将来の強みをどこに見出すかを常に再確認することが求められます。提携というと協調性に焦点が当たりがちですが、提携の時代だからこそ個性が重要になるのです。(了)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)