大手金融機関7社は顧客の遺産相続手続きに関して新たな枠組みを構築すると発表しました。新システムは相続手続きを一括で済ませるもので、手続きの簡素化が進むと期待されています。現在、日本では高齢化の進行に伴い、年間数百万世帯で相続が発生しています。相続手続きでは、被相続人が保有する預貯金や有価証券について、名義変更や解約・換金などの煩雑な相続手続きが必要となります。
手続き上で、とくに遺族・相続人が負担となるものに、①口座の調査、②名義変更や換金手続きがあります。近年、デジタル化が進み、ネット銀行やネット証券、暗号資産など、オンライン上で管理される資産が増加しています。以前であれば、遺族は、遺品整理の際に通帳やキャッシュカードが見つかり、口座の存在を把握できました。ところが、ネット銀行のように紙の通帳を持たない口座では、遺族が存在に気づけないケースも少なくありません。被相続人の資産を漏れなく確認するには、多数の金融機関へ個別に問い合わせる必要があり、時間と労力がかかります。
さらに、口座が判明した後も、相続人が財産を受け取るまでには手がかかります。手続きには口座の解約や名義変更などが必要になりますが、金融機関同士、統一された仕組みが確立されていません。そのため、複数に口座がある場合、相続人は金融機関ごとに、多数の同様の書類(戸籍謄本や印鑑証明書など)を準備し提出する必要があります。相続人にとって相続手続きは大きな負担となります。
結局、その煩雑さから、相続手続きが放置され、休眠口座の増加につながるケースも指摘されています。今回の取り組みは相続人の負担軽減だけでなく、休眠口座問題の改善にもつながると期待されています。(つづく)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)