風を読んで、より「よいみらい」へ
事務所だより:

ニュースレター8月号

いつもお世話になっております。
今月のニュースレターをお届けいたします!

猛暑の毎日でございますが、いかがお過ごしでしょうか。
熱中症にはくれぐれもお気をつけください。

感奮興起の名言
「人生二度なし」――これ人生における最大最深の真理なり
森信三(哲学者)

みらいへの種まき!今月の一粒万倍日
3日(月)、13日(木)、18日(火)、25日(火)

2026年8月の税務

8月10日
●7月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

8月31日
●6月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税> 
●3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●12月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の3月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の5月、6月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(4月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
●個人事業者の消費税・地方消費税の中間申告

○個人事業税の納付(第1期分)(8月中において都道府県の条例で定める日)
○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第2期分)(8月中において市町村の条例で定める日)

遺産分割で考慮すべき特別受益

 被相続人から生前贈与を受けていた場合、相続財産の分割だけでは課税の公平が保てないため、一定の配慮が行われます。

◆相続人の特別受益を相続財産に持ち戻す
 相続人に遺贈または婚姻、養子縁組、生計の資本としての贈与がされた場合、これらは特別受益とされます。特別受益の額は相続時の価額で相続財産の価額に加算(持戻しといいます)し、民法に規定する相続分で按分した額から遺贈または贈与の額を控除した額が各相続人の相続分となります。
 被相続人が持戻しの免除を意思表示したときは、その意思に従います。婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産の遺贈または贈与、配偶者居住権の遺贈も持戻し免除の意思を表示したものと推定されます。

◆持戻しの対象となる贈与の範囲
 子の結婚に際し、新生活を援助するためのまとまった金銭の贈与は特別受益に該当すると考えられます。生計の資本としての贈与は生活の基盤となる財産を指し、夫婦間の生活保持義務や親族間の扶養義務の範囲を超えるものは特別受益に該当します。子の学費は扶養義務の範囲であれば該当しませんが、住宅資金の贈与は非課税となるものであっても特別受益となります。

◆生命保険金の持戻しの扱い
 相続で受け取る生命保険金は、相続人固有の財産とされ、原則、持戻しの対象となりません。ただし、生命保険契約が保険金を受け取った相続人に対する被相続人からの贈与と同視され、相続人間の公平さを著しく欠くとされた場合は、特別受益となることが裁判で示されています。

◆未分割のときは持ち戻して相続税額を計算
 相続人に特別受益があったとき、これを持戻して相続税額を計算するのは、遺産分割協議が調わず、未分割となる場合です。遺産分割協議が調う場合は相続人間で任意に分割できます。

◆生前贈与加算と異なる加算期間
 被相続人から生前贈与があった場合、相続開始前7年以内に贈与された財産の価額を相続財産の価額に加算して相続税額を計算します(生前贈与加算)。加算対象期間は令和5年度税制改正により、相続開始前7年以内となりました。令和6年1月1日以後の暦年課税贈与により取得した財産について適用されます。
 一方、特別受益については受益の時期にかかわらず、全ての期間に行われた贈与が持戻しの対象となります。

適用要件を再チェック! 短期前払費用の取扱い

◆会計上の「前払費用」とは?
 今回は、決算で何かと話題となる「短期前払費用」を取り上げます。
 会計(企業会計原則)では「前払費用」とは、次のように定義されています。
 『一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、いまだ提供されていない役務に対し支払われた対価をいう。』
 簡単に言うと、継続的役務(家賃、保険料、利息など)の先払い分のことです。
このようなものは、時間の経過とともに次期以降の費用となるものです。そのため、契約期間の経過に合わせて、次期以降の費用となる金額は、当期の損益計算から除去するとともに貸借対照表の資産の部に計上します(このような継続的な契約以外の契約等による「前払金」とは区別されます)。

◆税務上の「短期前払費用」とは?
 ただし、税務では、1年以内の「短期前払費用」について、収益との厳密な期間対応による計算をすることなく、支払時点で損金算入を認める特例が設けられています。企業会計上の重要性の原則に基づく経理処理を税務上も認めるというものです。
 この特例を適用するには、次のような要件を満たす必要があります。
(1)1年以内の役務提供であること
 支払った日から1年以内に提供を受けるサービス(役務)である必要があります。
 例えば、1年を超える分をまとめて支払った場合には、この特例は適用できません。
原則通り(月割計算等)となります。
(2)継続的な役務提供であること
 一定の契約に基づき、一定期間にわたり継続的に同じ質・量のサービスを受けるものであることが条件となります(家賃、保険料、利息がその典型例となります)。
(3)支払が完了していること
 決算期末までに、実際に代金の支払が完了している必要があります。
(4)継続適用すること
 一度この特例を適用した後は、毎期継続して同じ処理を行う必要があります。利益が出た年だけ節税目的で1年分支払うといった処理は認められません。
(5)収益との直接的な対応がないこと
 例えば、借入金を預金や有価証券で運用している場合の「支払利息」などは、運用の収益(預金の利息・株式の配当など)と厳密に対応させる必要があります。したがって、この特例の適用は認められません。

国税庁が消費税還付で注意喚起



 国税庁はこのほど、「消費税還付申告に関する国税当局の対応について」と題した文書をホームページに掲載しました。消費税還付申告には不正請求や誤りが多いとし、還付金の支払いの保留や証拠書類の提出依頼、さらには税務調査に発展する可能性があることを納税者に伝える内容となっています。

 文書では、「消費税の仕組みを悪用し、実際に取引をしたように見せかけるなど、虚偽の内容で申告書を提出して、消費税の還付を不正に受けようとする事案も発生しています」などと報告。課税取引・非課税取引の区分や、固定資産の取得時期などで誤りが多いことも問題視しています。

 そのうえで「各種情報に照らして必要があると認められる場合は、還付金の支払いをいったん保留」するとして、還付が遅れる可能性を明示しました。また、還付申告の原因を確認するため、行政指導で証拠書類の提出を依頼することもあるとしています。

 例えば、還付申告の主な原因が輸出免税である場合には輸出許可通知書やインボイスなどの写し、設備投資である場合には契約書や請求書等の写しなど、取引実態の確認できる資料を求めるケースがあるといいます。さらに、「税務調査を実施する場合もあります」と記しています。

 還付金の支払いの保留に関しては、相手方と連絡が取れないことなどにより取引実態の確認が困難である場合や、金銭授受の事実確認が困難である場合、さらに輸出などに関する証拠書類が適切に保管されていない場合などには、保留期間が長期にわたる可能性があるとしています。

公取委 旧下請法の運用状況公表



 公正取引委員会はこのほど、中小受託取引適正化法(取適法=旧下請法)の運用状況を公表しました。2025年度の取適法違反に対する「勧告」の件数は39件で、このうち中小企業庁からの措置請求に基づく勧告が9件を占め、いずれも過去最多となりました。

 勧告の対象となった違反行為類型別の件数は、「不当な経済上の利益の提供要請」が31件、「製造委託等代金の減額」が6件、「返品」が6件、「不当な給付内容の変更等」と「買いたたき」が各1件となっています。
 このほか、違反した事業者に再発防止などを求める「指導」が8261件ありました。

 中小受託事業者が被った不利益については、177の委託事業者から5165の中小受託事業者に対し、製造委託等代金の減額分の返還などとして総額25億5698万円相当の原状回復が行われました。

 また、公取委からの勧告や指導によらず、違反行為があったと自覚・認識する委託事業者からの自発的な申し出により、1234の中小受託事業者に対して総額12億1019万円相当の原状回復が行われたそうです。25年度には53件の自発的な申し出があり、年度中に49件が処理されました。

ふるさと納税の税制改正 富裕者寄附制限と手取り確保増



◆ふるさと納税に上限設定
 ふるさと納税の特例控除額は、個人住民税所得割額の20%に設定されていますが、所得に応じ際限なく増えることに歯止めをかけるため、新たに特例控除額193万円の上限が今年の税制改正で設定されました。

◆ふるさと納税最適額の算式変更
 ふるさと納税での所得税と住民税での税額控除により自己負担額が2,000円で済む最適額の求め方は、最高税率の人の場合、(住民税所得割×0.2÷0.44055=A)で求められましたが、改正後は、(193万円÷0.44055=4,380,888=B)との比較が必要になりました。AとBとのいずれか少ない金額+2,000円が、自己負担額2,000円で済むふるさと納税の最高額ということです。

◆上限設定で規制される人
 逆に、AとBが一致するような人とは、どんな人かというと、(住民税所得割=4,380,888×0.44055÷0.2=965万円)なので、住民税10%で割ると、課税所得が9,650万円となり、給与のみの所得だったら、給与所得控除195万円を足すと、9,845万円となり、これに所得控除額を加えた額が給与収入となります。概ね1億円前後の給与収入者です。

◆寄附金活用可能額の6割確保
 寄附金活用可能額(=寄附金総額-募集費用)を6割以上にするという新ルールも設定されました。募集費用には、返礼品・送料・事務・広報などすべて含まれます。
 公表データによると、ふるさと納税の年間総件数は、5,879万件、受入額1兆2,728億円、1件当たり約2万円で、自治体当たり平均3.3万件です。上位自治体では100万件規模と言われています。
 そして、現行の外部委託費の平均は、受入額の46.4%です。これを40%以下にする規制の施行は、令和8年10月ですが、47.5%→45%→42.5%→40%と4年にわたる段階導入とされています。

◆ふるさと納税産業
 ふるさと納税は、低単価大量通信販売のようで、人海戦術+システム化+季節産業+マーケティング商品企画力等々が要求されます。これを、自治体の職員の仕事にすることは不可能で、外部委託が合理的です。
 そして、そういう前提での産業分野が成立してしまっている、ということです。

通勤手当、食事の現物支給に係る所得税の非課税限度額を見直し!



 令和8年度税制改正において、通勤のため自動車などの交通用具を使用している給与所得者に支給する通勤手当の非課税限度額について、見直しが行われました。

 具体的には、これまで片道55㎞以上の控除額は、一律3万8,700円とされていましたが、通勤距離が片道65㎞以上の人の非課税限度額が引き上げられました。
 さらに、マイカー通勤者が一定の要件を満たす駐車場等を利用して、その料金を負担することを常例とする人の1か月当たりの非課税限度額については、その通勤距離の区分に応じた非課税限度額に1か月当たりのその駐車場等の料金相当額(上限5千円)を加算した金額とすることとされました。

 なお、上記の一定の要件を満たす駐車場等とは、通勤のために使用する交通用具の駐車のための施設のうち、その通勤手当の支払を受ける人の勤務する場所の周辺又はその人が通勤のために利用する交通機関の駅若しくは停留所その他の施設の周辺にあるものをいいます。

(後編)通勤手当、食事の現物支給に係る所得税の非課税限度額を見直し!



(前編からのつづき)

 この改正は、すでに令和8年4月1日以後に支払われるべき通勤手当(同日前に支払われるべき通勤手当の差額として追加支給するものを除く)について適用されております。
 また、食事の現物支給に係る所得税の非課税限度額も見直され、非課税限度額を月額7,500円(改正前:月額3,500円)に引き上げられました。
 深夜勤務に伴う夜食の現物支給に代えて支給する金銭について、所得税を課税しないこととされる1回の支給額も650円以下(改正前:300円以下)に引き上げられます。

 役員または使用人が使用者から食事の現物支給を受ける場合、次の2つの要件を満たすときは、当該役員または使用人が食事の支給により受ける経済的利益はないものとされますので、該当されます方はご確認ください。
①当該役員または使用人から実際に徴収している対価の額が、当該食事の価額の50%相当額以上であること
②当該食事の価額からその実際に徴収している対価の額を控除した残額が月額7,500円以下であること
 こちらも同様に令和8年4月1日以後に支給する食事について適用されております。

1年かけて行われる税制改正議論



 国会での審議を経て、税制改正法が成立するのが例年3月末のこと。毎年大きな話題になるので、成立の時期を覚えているひとも多いでしょう。実はすでにその時期、〝次の税制改正〟に向けた議論がスタートしていることはあまり知られていないかもしれません。各業界団体や士業団体の地方会などが次の税制改正に向けた要望案などをまとめ始めているのです。

 そして6月〜8月ごろのいまの時期、それらの内容を検討して反映させたものとして、業界の中央団体が税制改正に向けた要望書や建議書を作成します。例えば税理士会なら、各地方会が春ごろから徐々に要望書を公表して、中央団体である日本税理士会連合会が「税制改正に関する建議書」を決定するのは6月下旬。財務省や国税庁に提出するのが7月〜8月となっています。

 各業界からの要望を受け取った省庁は政策目的なども含めて検討を加え、おおよそ9月上旬までには全省庁からの改正要望が出そろいます。その後は与党の税制調査会がそれぞれの要望について議論を進め、そこに首相の諮問機関である政府税制調査会の意見も加えてさらに議論を深めていきます。そして最終検討を経て「税制改正大綱」が決定されるのが、例年通りなら12月中旬。それをもとにした税制改正法案が国会で審議されるというわけです。

国税庁:他人名義による無申告を摘発した調査事例を公表!



 国税庁は、同庁ホームページにおいて公表している令和6事務年度(令和6年7月から令和7年6月までの1年間)所得税及び消費税調査等の状況において、具体的な調査事例も挙げております。
 それによりますと、従業員を名義人とした複数のキャバクラ店を経営していたが、営業収益はすべて実質的な所得者である調査対象者に帰属するものとして課税した事例が挙がっております。

 調査対象者は、各種資料情報等から、近隣で複数店舗を展開するキャバクラ店の実質的
な経営者であると想定されたため、調査を実施しました。
 調査対象者及び従業員に対して質問調査等を実施したところ、営業許可申請や取引決済
を従業員名義で行っていたものの、売上の管理や経営方針の決定などは調査対象者が行っていたことから、調査対象者が実質的な経営権を有しているものと判断しました。
 そこで、調査対象者を追及したところ、従業員名義で営業すれば自身が経営者であることを隠蔽できると考えて、申告していなかったことを認めました。

(後編)国税庁:他人名義による無申告を摘発した調査事例を公表!



 そのため、キャバクラ店の営業に係る事業所得及び当該事業に係る消費税のほか、コンパニオンに対して支払った報酬に係る源泉所得税について課税を行いました。
 また、他人名義で営業を行い無申告であったことは、仮装・隠蔽行為に該当することから重加算税を賦課した結果、申告漏れ所得金額・課税漏れ支払金額は所得税約1億1千8百万円、追徴税額(加算税込み)は約4千8百万円(重加算税有)に上りました。
 さらに消費税の追徴税額(加算税込み)は約9千7百万円(重加算税有)、源泉所得税の申告漏れ所得金額・課税漏れ支払金額は約1億2千2百万円、その追徴税額(加算税込み)は約1千万円(重加算税有)に上りました。

 この場合は、従業員名義なら税務署にばれないだろうと考え、従業員名義によるキャバクラ経営で自己を潜在化して無申告をしたケースですが、国税庁では、あらゆる機会を通じて収集した資料情報等を調査に活用し、所得税等の無申告者に対して積極的に調査を行っております。
事務所だより:
info@yoimirai.com
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