風を読んで、より「よいみらい」へ
事務所だより:

ニュースレター9月号

いつもお世話になっております。
今月のニュースレターをお届けいたします!

暦では夏の終わりですが、暑い日がつづきますね。
夏の疲れが出てくる頃です。
体調管理には充分気をつけてお過ごしください。

感奮興起の名言
他の人に向かって注意したことを自分のこととして聞く人はやっぱり伸びていく吉田都(バレリーナ)

みらいへの種まき!今月の一粒万倍日
6日(日)、7日(月)、14日(月)、26日(土)

2026年9月の税務

9月10日
●8月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

9月30日
●7月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●1月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の1月、4月、10月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の6月、7月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(5月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>

AIで業績は変わるか?データが語る事実

◆増収企業ほどAIを使っている
 独立行政法人中小企業基盤整備機構が令和8年3月に公表した「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」では、直近3年間で増収傾向にある企業ほどAIを積極的に活用していることが明らかになっています。増収企業がAI導入目的として「人手不足対応」を挙げた割合は35.4%で、減収傾向企業の23.6%を約12ポイント上回りました。    
 業績の良い会社がAIを使っているのか、AIを使っているから業績が良くなったのかは一概には言えませんが、少なくとも「AIは成長している企業が取り組んでいるもの」という実態は確かです。

◆経営部門で効果が突出した理由
 部門別の導入効果をみると、経営・企画部門でのAI活用が特に高い評価を受けています。
 品質向上・付加価値創出・業務効率化の3項目すべてで8割以上が効果ありと回答しており、これはIT導入の同部門と比べても一段高い水準です。経営者自身が生成AIを使って市場分析・資料作成・アイデア出しに活用するケースが増えており、「まず経営者自身が使ってみる」ことが最も効果的な入り口といえます。

◆付加価値創出はITの3倍
 AI活用で特に注目すべきは「付加価値創出」の効果です。AIで付加価値創出に効果ありと答えた企業は22.3%で、ITの7.4%の約3倍にのぼります。
 業務の効率化にとどまらず、新しい価値を生み出す道具としてAIが機能し始めていることを示す数字です。情報通信業(38.9%)や不動産業(33.3%)では特にこの傾向が顕著で、業種によってはAIが競争力そのものになりつつあります。

◆AIを使うと何が変わるのか
 AI導入企業の83.2%が業務効率化に効果を実感しており、「時間が生まれた」「品質が上がった」という変化が多くの現場で起きています。
 コスト削減効果は1〜3割が中心で劇的な削減は難しいものの、浮いた時間を付加価値の高い業務に充てられることが最大のメリットです。まずは議事録作成・文書作成・情報収集といった日常業務から試してみてください。小さな成功体験が社内への普及を後押しします。

今年の税制改正 公的年金等控除額の控除制限

◆高齢者の就労意欲促進策として
 在職老齢年金制度改正で令和8年4月から、年金減額基準額(賃金と厚生年金の月合計)が65万円(旧51万円)に引き上げられました。趣旨は高齢者就労促進です。
 たとえば、給与月収80万円、年金月額20万円だとしたら、改正後は、(80+20万円-65万円)÷2=17.5万円になり、これが20万円の年金月額からのカット額になります。前は、全額カットでした。なお、カット額は、事後繰延べはなく、永久消滅です。

◆給与控除とのアンバランス緩和が趣旨
 その一方で、今年の税制改正で、給与と公的年金との両方の収入がある者については、その年の給与所得控除額と公的年金等控除額との合計額に、上限が設けられることになりました。上限額は280万円で、上限控除額の減額は、公的年金等控除額から行われます。(令和9年から施行)
 たとえば、給与月収80万円、年金月額20万円だとしたら、給与所得控除(195万円)と公的年金等控除(110万円)の合計で305万円の控除を受けることになりますが、同じ1,200万円の収入のすべてが給与だけの場合の控除額は195万円のみです。ここに不合理があるとの趣旨です。

◆年金カットされたら上限控除にならない
 ところで、上限の280万円前後の層とは、年金を受取りながら、しっかり給与を得ている層ですが、その人たちは、在職老齢年金制度により年金収入が相当カットされている人たちです。カットされているので、上限制限の対象になる年金控除額などなくなっているはずです。
 それでは、今年の改正は、在職老齢年金での年金カットをうまく潜り抜けている人が対象なのでしょうか。それもあるでしょうが、それだけではないと思われます。

◆大企業や公務員系統の受給者が対象
 280万円控除制限のターゲットは、在職老齢年金制度で年金カットの対象になっている2階建て部分の厚生年金ではなく、その対象になっていない企業年金(3階建て)、私的年金(4階建て)だと思われます。
 在職老齢年金の支給カットは、2階建てまでしかない、中小企業関係受給者に大きな打撃を与えていましたが、3階建て4階建ての年金のある大企業や公務員系統の受給者には、その影響が相対的でした。その2階建て以外の年金にも標的を向けだした、というのが今年の改正の内容です。

税制・社会保険の適用 それぞれの「年収の壁」



◆今年の税制改正で所得税年収の壁が見直し
 これまで「年収を抑えて扶養の範囲で働きたい」という場合、昨年までは所得税の壁は年収160万円でしたが令和8年には178万円に引き上げられます。扶養家族が働く時間が増えても課税されるラインが上がりました。

◆年収の壁は住民税や社会保険もあり
 収入が大体年収100万〜110万円を超えると住民税が掛かります。こちらは所得税に比べると課税ラインが低く、課税基準は自治体ごとに違うので確認が必要です。
 社会保険の加入基準となる「106万円の壁」は現在51人以上の被保険者がいる事業所で適用され「所定内賃金が月平均8.8万円以上」「週所定労働時間20時間以上」「学生でない」方が対象になります。ただし令和8年10月からは「年収106万円」の壁は撤廃される予定です。

◆影響大きい「年収130万円の壁」
 これは50人以下の全事業所も対象です。配偶者の社会保険の扶養家族で加入している場合、基準を超えると扶養から外れ自分で社会保険に加入します。扶養家族が勤めている事業所の社会保険に入るか、国民健康保険・国民年金に加入します。社会保険は保険料負担が大きいため手取りが減るということがあります。厚労省は助成金等でその分をカバーするような制度もつくっていますが、対象者に使えるかは申請をしてみないとわかりません。
 また、社会保険の事業所規模の拡大で今までは扶養家族であっても、扶養家族が勤める事業者が拡大対象事業所になれば扶養からは外れるケースも出てきます。
 税制が大幅に所得税の壁を引き上げでやや楽になったかと思っても、社会保険の壁が存在すると手取りを気にする短時間労働者の働き方はそれほど大きな変化は見られないでしょう。

◆高齢者就業には一定の変化が
 一方、働き方の変化でいうと扶養家族ではありませんが、企業に勤める高齢者で厚生年金保険の適用者は在職老齢年金の年金停止ラインが月65万円と大幅に上がったので、年金カットを意識せず就業がしやすくなったといえるでしょう。

「見えない設備」の税務判断 ガソリンスタンドの「地下タンク」



◆ガソリンスタンドの下の大きな設備
 ガソリンスタンドの地下には、燃料を貯蔵する巨大な「地下タンク」が埋設されています。安全確保のためコンクリート基礎で固定され、周囲には漏洩を防ぐ砂が詰められています。この「地下タンク」は、地上にある給油設備と油管を通じて繋がっており、燃料を供給する仕事の一端を担っています。意外にも、この「地下タンク」が税務の話題に取り上げられることがあります。

◆タンクは「機械及び装置」か「構築物」か?
 ある法人がガソリンスタンドとして事業を行うため、土地に定着した設備(コンクリート路面や油溝・集水桝・油分離層等)の工事を行い、その上に給油設備を整備したことについて、これらを一体として「機械及び装置」として取扱ってよいか争った裁判がありました。
 「機械及び装置」に該当すると、「その他の小売業設備」「ガソリン・液化石油ガススタンド設備」として法定耐用年数8年となり、特別償却の対象となる余地があります。

◆複合資産の場合の「通常1単位」とは?
 この裁判では、複合的な資産が減価償却資産として「機械及び装置」に該当するかどうかは、その資産の構造や素材等に照らし、次のような単位に分解して判断すべきとしています。
 ・独立して修理、更新が可能な単位
 ・独立した効用を果たすとされる単位
 裁判所は、給油設備とタンクは、個別に修理、更新が可能である上、タンクには「油を貯留する」という独立した効用があるとして、地下タンクは「構築物」(「水そう及び油そう」)に該当すると判断しました。

◆消防法に基づく改修は全額修繕費に
 また、ガソリンスタンドの地下タンクには、消防法に基づく厳格な点検・修理(改修)義務があります。現在の消防法では、設置から40年以上経過し老朽化した地下タンクには、「腐食防止工事」又は「更新(新品への交換)」が義務付けられています。
 国税庁の質疑応答事例では、①改修しなければ、消防署から行政処分が下されること、②事故が発生した場合、多額の土壌汚染対策費や損害賠償が発生するリスクがあることから、「原状回復」や「通常の維持管理」の範囲内であるとして、「修繕費」に該当すると説明しています(更新〔新品への交換〕は資産の取得となります)。

国の税収、12%増の84.2兆円



 財務省がこのほど発表した2025年度の「一般会計税収の予算額と決算額(概数)」によると、国の税収は前年度比12.0%増の84兆2226億円で、初めて80兆円の大台を超えました。金額としては前年度比8兆9905億円の増加。6年連続で過去最大を更新し、昨年末時点での見積もりよりも3兆5246億円上振れしました。

 25年度の税収は、昨年11月に補正予算を組んだ時点では80兆6980億円を見込んでいました。法人税収は前年度比21.4%増の21兆7450億円で、金額では3兆8348億円増加。バブル期以来の高水準で税収全体の伸びをけん引したかたちとなっています。

 源泉所得税収は前年度比22.8%増の20兆5405億円で、金額では3兆8204億円増えました。申告所得税収も同5.1%増の4兆7160億円と好調に推移。消費税収は物価高を反映して同4.0%増の26兆278億円で、金額では1兆65億円増えました。

 相続税収は前年度比8.6%減の3兆853億円。国際観光旅客税収は訪日外国人観光客の増加を背景に同10.7%増と高い伸びを示し、過去最大の581億円となりました。金額では昨年度より56億円増えています。税収の上振れ分に、予算計上したものの使われなかった歳出の「不用」分や「税外収入」などを加えた「決算剰余金」は6兆6119億円。このうち公債金の償還に3兆円を充て、地方交付税交付金等財源に1兆32億円を積み増します。このため純剰余金は差し引き2兆6088億円となりました。

令和8年度税制改正:消費税における7・5・3割控除とは



 国税庁は、同庁ホームページにおいて、令和8年度税制改正特集ページを公表しており、その中で、消費税における7・5・3割控除についても解説しております。
 それによりますと、免税事業者などインボイス発行事業者以外の者から行った課税仕入れにつき、その一定割合を控除できる経過措置について、適用期限を2年間延長した上で、以下の通り、控除可能割合が見直されました(令和8年10月1日以後に開始する課税期間から適用)。

・令和8年10月1日から令和10年9月30日までは免税事業者等からの課税仕入れにつき70%控除可能(7割控除)
・令和10年10月1日から令和12年9月30日までは免税事業者等からの課税仕入れにつき50%控除可能(5割控除)
・令和12年10月1日から令和13年9月30日までは免税事業者等からの課税仕入れにつき30%控除可能(3割控除)
・令和13年10月1日からは控除不可

 なお、7・5・3割控除については、一のインボイス発行事業者以外の者からの課税仕入れの合計額(税込み)が、その年又は事業年度で1億円(改正前:10億円)を超える場合は、その超えた部分の課税仕入れについて適用できません。
 
(後編へつづく)

(後編)令和8年度税制改正:消費税における7・5・3割控除とは



 この経過措置による仕入税額控除の適用に当たっては、免税事業者等から受領する区分記載請求書等と同様の事項が記載された請求書等の保存とこの経過措置の適用を受ける旨(「80%控除」・「7・5・3割控除」を受ける課税仕入れである旨)を記載した帳簿の保存が必要となります。

 また、その他項目として、特定金属くず特例の創設も挙げております。
 それによりますと、盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律(金属盗対策法)に規定する特定金属くずについて、古物商特例や再生資源等特例の対象から除いた上で、同法上の特定金属くず買受業の届出を行っている事業者が適格請求書発行事業者でない者から棚卸資産(消耗品を除く)として買い受ける特定金属くずについて、一定の事項が記載された帳簿のみの保存により仕入税額控除を認める特例の対象に加えることとされました(以下、特定金属くず特例)。

 特定金属くず特例の適用を受ける場合、帳簿には「特定金属くず特例の対象となる旨」及び「課税仕入れの相手方の住所又は所在地」の記載が必要となりますので、該当されます方はあわせてご確認ください。

中小企業の成長に向けたAI活用 その1



 中小企業が「稼ぐ力」を高めるために付加価値額を増加させる取組の一つとして、AI活用による生産性向上が挙げられます。

 「中小企業白書2026年版」では、AIを「人工知能のことであり、画像認識、音声認識、自然言語処理、データ分析、意思決定支援、生成AI などを指す」と定義し、成長に向けたAI活用の取組状況についてアンケート調査を行っています。

 まず、AI活用の取組状況別に、付加価値額の変化率(中央値)についてみると、「取り組んだ」と回答した事業者の付加価値額の変化率は、「取り組んでいない」と回答した事業者の変化率と比べて高くなっていることから、成長に向けたAI 活用に取り組むことが、付加価値額の増加につながる可能性が指摘されています。

 次に、成長に向けたAI活用の取組状況を業種別にみると、「全体」では、約22.2%の事業者が「取り組んだ」と回答しているのに対し、「情報通信業(55.5%)」、「宿泊業、飲食サービス業(28.7%)」の順に「取り組んだ」と回答した割合が高くなっています。

 内閣府「人工知能基本計画(2025年12月23日閣議決定)」では、「AI を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」をAIトランスフォーメーション(以下、「AX」)と定義し、企業等におけるDX・AI利活用の取組状況の可視化や改革の取組が進む事業者に対する重点的な支援を図ることが提示されています。

 このように中小企業においてもAXによって業務効率化を推進するとともに、AI で代替されにくい強みの部分に注力することへの期待が高まっているのです。

中小企業の成長に向けたAI活用 その2



 では、中小企業において成長に向けたAI活用は具体的にどのように行われているのでしょうか。そこで「中小企業白書2026年版」において、AIを活用することでパフォーマンスを向上させ、生産性を向上させている企業の事例として紹介された株式会社オプトサイエンス(本社:東京都新宿区)の取組みについてみていきましょう。

 株式会社オプトサイエンスは、レーザーに関連した光学機器の輸入販売を行う商社です。同社の取り扱う製品は最先端かつ専門性が高く、個別の技術解説書やマニュアルが用意されていない場合が多いことから、営業担当者は関連する海外論文や英語マニュアルを探して読み込み、自ら技術解説文書を作成する必要がありました。また、広告作成においても膨大な商品群から製品を選び、適切なキャッチコピーを考えるのは容易ではありませんでした。

 現社長は、2023年より生成AI を導入し、現社長自ら率先してあらゆる業務への活用を試みました。入力する指示や質問の書き方について勉強会を開くなど、従業員が生成AIに触れる時間や環境も用意しました。

 その後、世界中の論文を収集して要約させたり、英語マニュアルを翻訳させ要点を抽出させたりといった営業担当者による活用が広がり、特に経験が少ない若手従業員の技術知識の補完につながりました。また、広告作成にも応用し、商品選定、キャッチコピーの作成、その選定理由や訴求ポイントなどを生成AI に出力させ、それを基に営業担当者が推敲、ブラッシュアップしていく方法を採用したことで、作業効率が劇的に向上しました。

 これらの取組により、同社では営業担当者のパフォーマンスや広告効果を向上させることが可能となっているのです。
事務所だより:
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