令和という新しい時代を迎えて、さいとう会計事務所を立ち上げることになりました。
独立をすることになった直接のきっかけは子どもの授業参観に出たことです。授業の内容としては、道徳の授業だったと記憶しています。売れない手品師が、近くの知り合った子供と明日も一緒にね、という約束をしたあとに、一生に一度あるかないかの舞台の依頼が舞い込みます。どちらを選ぶべきか、自分が大切にしたいものは何か、自分が大切にしたい人の数が多いのはどちらか、より優先度が高いのはどちらか、幸せにする人数が多いのはどちらか、夢か約束か、といったことを子どもたちが考えて発表しているときに、授業参観ということを忘れて、ふっと自分にリンクして考えていました。税理士という資格を取ってから、私がずっと悩んでいたこと…理念のある仕事がしたい、思いを大事にしてお客様に寄り添いたい、お客様に喜ばれ感謝される人となりたい、家族を大事にした生活をしたい、でも、収入面での不安、家族を養っていけるのか、賛成してもらえるのかと考えるうちに、一人でやっていく断固たる決意が出来ない自分がそこにはいました。授業参観中に子どもを見ないで何を考えているんだと言われてしまうとそうかもしれません。当時はPTA会長だったので余計にですね。ただ、短い参観中の時間でしたが、子どもたちが自分の考えを発表するように、私も自分の考えをまとめて決断したのは事実です。人を大切にする経営をして、私自身がお客様に寄り添いたい、家族を含めて自分にかかわる人たちを笑顔にしたい、そういった思いで独立の決断をしました。
これまで、会計事務所に入所して9年、前事務所の所長と先輩と一緒に税理士法人を立ち上げて4年、中小企業の経営者と関わってきました。廃業する会社もあれば、業績の素晴らしい会社も含め、いろんな会社がありました。会社は何のために存在するのか、正しい経営とは何か、辿り着いた答えは「社員と家族を大切にし、会社と縁のあるすべての人を笑顔にする経営」です。人は誰だって認めてほしい、幸せになりたい、笑顔になりたい、そう思っています。中小企業の悩みの三大要素は人・物・金になりますが、会社にとって最も大切なのは人です。社員と家族が一番大切です。そして、人には社長も含まれます。
私の尊敬する経営コンサルタントである、一倉定先生は「中小企業の経営は社長で99%決まる」と言っています。まさにその通りだと思っています。人を育てるのも、商品やサービスを開発したり、新規客を開拓したり、会社にお金を残すのも社長が最終決定を下すからです。
今年の経営テーマは「飛躍し、飛翔する」です。大きく羽ばたいていくためには、地に足をつけることも必要です。そのためにはまわりにいるたくさんの人たちを大事にしないといけません。とあるイベントで小学校の先生が言っていた言葉が私の心から離れません。「すべてに感謝!」です。人を大切にする経営をするためには感謝の心は大切です。生まれ育った三重県ではなく、ここ秦野で開業するのにも理由があります、秦野で育った奥さんと子どもを守るため(家族への感謝)、そしてこれまで関わってきた方たちがいる秦野をよくするため(地域への感謝)です。社員や家族、お客様にいかに喜ばれ、感謝されるか、ありがとうと言ってもらえるように今後とも誠実に寄り添っていきます。