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【時事解説】パリ協定米国離脱と地球温暖化対策の今後 その2

 トランプ米大統領は、地球温暖化対策に関する国際協定である「パリ協定」の離脱を表明しました。ただ、すぐに離脱するわけではなく、手続きなどの期間もあることから、正式な離脱は2020年11月となります。これは、次の大統領選挙の後なので、選挙の結果次第で離脱の方向性が変わる可能性もあります。

 米国の離脱表明で、気になるのはビジネスへの影響です。現在、地球温暖化対策として、エネルギーの分野では、石炭などの二酸化炭素を排出するものから、環境負荷の低いものへシフトする動きがあります。具体的には、太陽光や風力などの再生可能エネルギーに関する事業が活発になっています。数年前まで、再生可能エネルギーはコストが高く実用化は難しいとされていました。ところが、技術の進歩でコストが徐々に下がり、採算化が見えるようになりました。その中、パリ協定が形骸化すると、今後、環境ビジネス分野の成長に黄色信号がともるおそれが出てきます。

 また、再生可能エネルギーのほかには、日本ではトヨタ自動車をはじめとする、自動車メーカー各社がハイブリッドカーや電気自動車など、環境負荷の低い自動車の開発に力を入れています。それに伴い、電機メーカーも、車載電池の開発に取り組むなど、環境ビジネスは広がりを見せています。

 現在のところ、米国のパリ協定離脱の表明に対して、トヨタ自動車やパナソニック、また、米アップルやインドIT大手企業など、世界各国で多くの企業が、従来の方針を変えずに、開発に取り組む姿勢を見せています。こうしたことから、ビジネスの分野では、米国のパリ協定離脱の影響は限定的という見方が強まっています。(了)

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)
2017年7月28日更新
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