使用貸借通達の経過措置について(Q&A)
Q 昭和39年、被相続人甲の所有する土地に配偶者乙が建物を建築し、事業の用に供していました。乙は、土地の賃貸借について、地代などの支払いはしておらず、いわゆる使用貸借により、甲より土地を借り受けていました。
この度、令和5年11月、甲に相続が発生し、乙がこの土地を相続する予定です。この場合、この土地の評価方法はどのようになりますか?
前提条件
①土地の自用地価額:1億円
②土地の所在地:東京都
③借地権割合:60%
A 昭和39年当時、使用貸借契約により土地の貸借があった場合、東京国税局管内においては、一定の場合を除き、乙に対して借地権相当額の贈与税課税が行われていましたので、今回の土地の相続税評価額は、貸宅地評価となります。
相続税評価額:1億円×(1-60%)=4,000万円
この取り扱いは、昭和39年当時、実際に贈与税の認定課税が行われていない場合であっても、贈与税課税は行われていたものとして取り扱いますので、ご留意ください。
なお、仮に甲より先に乙に相続が発生していた場合には、原則として、自用地評価額(1億円)となります。
(参考1)甲より先に乙に相続が発生(昭和48年11月1日以降に限ります。)していた場合の乙の相続財産と評価方法等は以下の通りになります。
①建物:相続開始年分の固定資産税評価額を基に自用家屋評価又は貸家評価
②借地権:課税の対象外(当時、贈与税の認定課税が行われていた場合も同様になります。)
(参考2)使用貸借通達の経過措置の概要の一部(昭和22年5月3日から昭和39年12月31日までの各国税局における取扱い)
A.土地の使用貸借の開始時における贈与税の課税の有無
(1)東京国税局
①昭和22年5月3日から昭和33年12月31日まで・・・課税
②昭和34年1月1日から昭和39年12月31日まで
イ.夫と妻、親と子、祖父母と孫等特殊関係がある者相互間における居住
用の建物の所有を目的とするもの(納税者の申出により課税した事実
が明らかなものを除く。)・・・非課税
ロ.イ以外のもの・・・課税
(2)関東信越国税局
①昭和22年5月3日から昭和28年12月31日まで・・・非課税
②昭和29年1月1日から昭和39年12月31日まで
イ.夫と妻、親と子、祖父母と孫等特殊関係がある者相互間におけるも
の・・・非課税
ロ.イ以外のもの・・・課税
(3)大阪国税局
昭和22年5月3日から昭和39年12月31日まで・・・非課税
(4)名古屋国税局
①昭和22年5月3日から昭和25年12月31日まで・・・非課税
②昭和26年1月1日から昭和32年12月31日まで
イ.借主が土地の所有者の配偶者又は直系血族であるもの(課税した事案
が明らかなものを除く。)・・・非課税
ロ.イ以外のもの・・・課税
③昭和33年1月1日から昭和39年12月31日まで
イ.借主が土地の所有者の配偶者又は直系血族であるもの・・・非課税
ロ.イ以外のもの・・・課税
(5)金沢国税局
昭和22年5月3日から昭和39年12月31日まで
イ.配偶者、直系血族及び直系血族の配偶者間におけるもの・・・非課税
ロ.イ以外のもの・・・課税
(6)札幌国税局
①昭和22年5月3日から昭和29年12月31日まで・・・非課税
②昭和30年1月1日から昭和33年12月31日まで
イ・親族間におけるもの・・・非課税
ロ.イ以外のもの・・・課税
③昭和34年1月1日から昭和39年12月31日まで・・・非課税
(7)仙台国税局
昭和22年5月3日から昭和39年12月31日まで・・・非課税
(8)広島国税局
昭和22年5月3日から昭和39年12月31日まで・・・非課税
(9)高松国税局
①昭和22年5月3日から昭和28年12月31日まで・・・非課税
②昭和29年1月1日から昭和33年12月31日まで
イ.夫婦、親子等間におけるもの・・・非課税
ロ.イ以外のもの・・・課税
③昭和34年1月1日から昭和39年12月31日まで
イ.夫と妻、親と子、祖父母と孫等特殊関係がある者相互間におけるも
の・・・非課税
ロ.イ以外のもの・・・課税
(10)福岡国税局
昭和22年5月3日から昭和39年12月31日まで・・・非課税
(11)熊本国税局
昭和22年5月3日から昭和39年12月31日まで・・・非課税
B.土地の使用貸借の開始時において贈与税を課税した事案にかかる建物等を相続又は贈与により取得した場合の相続税又は贈与税の有無
(1)東京国税局、関東信越国税局、名古屋国税局、金沢国税局、札幌国税局、高松国税局
昭和22年5月3日から昭和39年12月31日・・・課税
(2)大阪国税局、仙台国税局、広島国税局、福岡国税局、熊本国税局
昭和22年5月3日から昭和39年12月31日・・・非課税