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事務所だより~所在不明株主に関する会社法特例の創設~ No.4

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なお、内容につきましては、諸条件により本資料の内容とは異なる取扱いがされる場合がありますので、ご留意ください。

所在不明株主に関する会社法特例の創設について

(1)はじめに
 令和3年8月2日施行の「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律」に伴う「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」(以下、経営承継円滑化法)の改正により、事業承継の課題であった「所在不明株主に関する会社法の特例」が新設されました。これは、中小企業の事業承継の円滑化の一環として、「所在不明株主」の確認期間を5年から1年に短縮するものです。

(2)会社法特例の背景
 一般的に株主名簿に記載はあるものの会社から連絡が取れなくなり、所在が不明になってしまっている株主を「所在不明株主」といいます。所在不明株主が発生する原因は、主として、複数回の相続が挙げられます。つまり、旧株主からの相続により株主となった者は、会社経営への関心が段階的に薄くなってしまい、所在不明株主になることが考えられます。中小企業においては、株主数が比較的少数で個々の株主の保有する議決権割合が多い傾向にあり、所在不明株主が存在する場合には、特にM&Aのような円滑な事業承継の妨げとなるケースがあります。また、所在不明株主の議決権割合が多くない場合でも、中小企業のM&Aでは全株式について譲渡を行うことが多いことから、このようなM&Aの障害となるケースがあります。

(3)会社法特例の概要
 会社法上、株式会社は、所在不明株主に対して行う通知等が5年以上継続して到達せず、その所在不明株主が継続して5年間剰余金の配当を受領しない場合、その保有株式の競売又は売却(自社株買いも含みます。)の手続きが可能となります。しかし、この「5年間」という期間の長さが、事業承継の際の手続利用のハードルになっているという面もありました。そこで、非上場会社の中小企業者のうち、事業承継ニーズの高い株式会社に限り、①一定の要件を満たすことについて、都道府県知事の認定を受けることと②一定の手続保証を前提に、この「5年」を「1年」に短縮する特例が創設されました。

認定の要件(経営承継円滑化法第12条第1項第1号ホ)・・・以下の①及び②の両方を満たす必要があります。

①経営困難要件
 申請者の代表者が年齢、健康状態その他の事情により、継続的かつ安定的に経営を行うことが困難であるため、会社の事業活動の継続に支障が生じている場合であること。

(具体例)
・申請者の代表者の「年齢」が満60歳を超えている場合
・申請者の代表者の「健康状態」が日常業務に支障を生じさせている場合など

②円滑承継困難要件
 一部株主の所在が不明であることにより、その経営を代表者以外の者(株式会社事業後継者)に円滑に承継させることが困難であること。

(具体例)
・所在不明株主の議決権数が、総株主等議決権数から株式会社事業後継者が要求している議決権数を控除した数を超える場合(株式等売渡請求によるスクイーズ・アウトが可能な場合には、これによる株式集約を検討し得ることから、円滑承継困難要件を満たすのは、所在不明株主が存在するために当該請求が不可能となっているとき、すなわち、所在不明株主の保有株式に係る議決権割合が1/10を超えるときに限ります。)
・所在不明株主の議決権割合が1/3を超えているため、事業譲渡や会社分割などの株主総会特別決議を安全に行うことができない場合

(4)むすびに
 近年、中小企業においてもM&Aが浸透してきた中、中小企業のM&Aにおける制度的な課題の一つが会社法特例の創設により解決されました。中小企業の低い生産性・経営者の高齢化などの構造的な目詰まりを解消するために、M&Aによって経営資源の集約化等を推し進める重要性が従前以上に高まっている中、この会社法特例の効果が期待されます。
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