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【時事解説】事業撤退の勇気 その1
電機メーカーの事業撤退に関するニュースが、連日、日経新聞の一面を飾っている。ここ1ヶ月の間に発表された主な記事をあげただけでも、東芝のHD-DVD、三菱電機の携帯電話、日立マクセルのDVD生産、リコーの光ディスク、そしてパイオニアのプラズマパネル生産と、まさに撤退オンパレードといった状況だ。この背景には益々厳しくなる事業環境があるものと推測されるが、企業行動の健全化という点で評価すべきと考えている。
仕事柄幸か不幸か、筆者は数多くの企業再生に関わってきたが、再生を要するまで経営が悪化した企業の大部分に共通する事象がある。それは“撤退の遅れ”である。即ち、不芳な事業・営業所・部門をズルズルと続けていくことだ。不芳事業等を続けるリスクは、損益(赤字)という数字上のネガティブインパクトもさることながら、最も怖いのは健全な事業や管理部門の従業員を疲弊させるという点である。
新規事業・投資は、前向きに夢を追うものなので、一般的には従業員含め周りから温かい目で見られる。一方、撤退は、従業員から見れば自分が首切りにあうかもしれないし、仕入・販売先からすればビジネスが大幅に縮小することになる。経営者にとって、撤退は新規事業・投資に比し数倍の勇気が必要なのだ。“撤退の勇気を持て”と言葉で言うのは簡単であるが、撤退には大きな痛みが伴い、その判断の難しさは想像以上である。(つづく)
仕事柄幸か不幸か、筆者は数多くの企業再生に関わってきたが、再生を要するまで経営が悪化した企業の大部分に共通する事象がある。それは“撤退の遅れ”である。即ち、不芳な事業・営業所・部門をズルズルと続けていくことだ。不芳事業等を続けるリスクは、損益(赤字)という数字上のネガティブインパクトもさることながら、最も怖いのは健全な事業や管理部門の従業員を疲弊させるという点である。
新規事業・投資は、前向きに夢を追うものなので、一般的には従業員含め周りから温かい目で見られる。一方、撤退は、従業員から見れば自分が首切りにあうかもしれないし、仕入・販売先からすればビジネスが大幅に縮小することになる。経営者にとって、撤退は新規事業・投資に比し数倍の勇気が必要なのだ。“撤退の勇気を持て”と言葉で言うのは簡単であるが、撤退には大きな痛みが伴い、その判断の難しさは想像以上である。(つづく)
2008年4月20日更新
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