年のせいでしょうか。最近、日本語の遣い方で違和感を感じることが多くなりました。
①させて頂く
読売新聞の「編集手帳」によると、文化審議会と言うところが2007年に「敬語の指針」で「させていただく」と言う表現の乱用が目立ってきていると、説明しているそうです。
2022年は、「させていただくブーム」だそうで、コミュニケーションの様式や距離感の変化により、相手に直接敬意を示すより自分の丁寧さを示すスタイルが好まれる様になったからだと分析しています。
国会答弁でも「説明させて頂きます」や「お答えを控えさせて頂きます」が常套句になり、真意よりも謙虚さの演出に重点を置いていると言えるでしょう。
②情報の共有
先日、税務署員から「情報の共有をさせてください」と言われ、困惑してしまいました。多分、「提出して欲しい資料の再確認」の意味だろうと解釈しましたが、統括官は注意しないのかと思ってしまいました。
「実用日本語表現辞典(WEBLIO辞典)」の定義では、見聞や知識・ノウハウを仲間に伝達し共有すること。組織やメンバー間で知識や情報などを伝達し合うことで認識を揃えると言った文脈などで使われる表現。とされています。
また、国立病院機構賀茂精神医療センターの2005年学会報告では、組織の成員がいつでも・どこでも・誰でも・同じ情報を利用できることとしています。
私と税務署員は「仲間」でも「組織の成員」でもありませんから、「情報の共有」はできません。