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お奨め2

2026年度 税制改正情報

税制改正情報

法人課税
1.給与等の支給額が増加した場合の税額控除制度(賃上げ促進税制)の見直し
 物価高を上回る安定的な賃上げの定着に向けて設けられた本制度については、大企業向け措置に関して、大企業の賃金上昇等が中小企業の従業員不足を助長しかねない状況を踏まえ、令和8年3月31日をもって廃止されました。
 一方で、中堅企業以下の企業については、本制度の適用が令和9年3月31日まで継続されることとなりました。
 中堅企業については、継続雇用者給与等支給額が前年比5%以上(改正前:4%以上)増加した場合の控除率が15%(改正前:25%)とされ、前年比6%以上増加した場合には、控除率25%が適用されるよう改正されました。
 なお、中堅企業とは、従業員数2,000人以下の企業をいいますが、このうち資本金10億円以上かつ従業員数1,000人以上の企業については、マルチステークホルダーに配慮した経営への取り組みを宣言していることが要件とされています。
 また、中小企業者等(資本金1億円以下の法人、農業協同組合等、または従業員数1,000人以下の法人)については、制度内容に改正はありません。
 なお、教育訓練費に係る上乗せ措置については、令和8年3月31日をもって廃止されました。
令和7年度 令和8年度
大企業 継続雇用者給与総額 控除率 廃止
+3%~+6% 10%~25%
中堅企業 継続雇用者給与総額 控除率 継続雇用者給与総額 控除率
+3% 10% +4% 10%
+4% 25% +5% 15%
    +6% 25%
中小企業 継続雇用者給与総額 控除率 同左
+1.5% +15%
+2.5% +30%
上乗 教育訓練費上乗せ措置
適用あり 適用なし

2.特定生産性向上設備等を取得した場合の特別償却又は特別税額控除制度の創設
 危機管理投資や成長投資を通じて「強い経済」を実現するため、国内における高付加価値型の設備投資を促進する観点から、新たに大胆な設備投資促進税制が創設されました。
 本制度は、産業競争力強化法の改正を前提として設けられるもので、青色申告書を提出する法人が対象となります。
 対象となる資産は、生産等設備を構成する機械装置、工具、器具備品、建物、建物附属設備、構築物およびソフトウエア(一定規模以上のものに限る。)であり、産業競争力強化法の改正法施行日から令和11年3月31日までの間に経済産業大臣の確認を受けた「特定生産性向上設備等(仮称)」に該当するもの(以下「特定機械装置等」)です。
 法人が、当該確認を受けた日から5年以内に特定機械装置等を取得等し、これを国内にある自らの事業の用(貸付けの用を除く。)に供した場合には、その事業の用に供した日を含む事業年度において、以下のいずれかを選択適用することができます。
  ・取得価額までの特別償却(即時償却)
  ・取得価額の7%(建物、建物附属設備および構築物については4%)の税額控除
 なお、税額控除額については、当期の法人税額の20%が上限とされており、控除限度超過額は3年間繰り越すことができます。
対象範囲 原則全ての業種を対象
対象資産
要件
  • 生産等に必要な設備等(機械装置、器具備品、工具、建物、構築物、建物附属設備、ソフトウェア)
  • 投資下限額:35億円以上(中小企業者等については5億円以上)
    ※投資計画期間中の総額
  • ROI水準:15%以上
措置内容
  • 即時償却または税額控除7%(建物、建物附属設備及び構築物は税額控除4%)→ 控除上限:法人税額の20%
  • 事業環境の急激な変化による影響への対応(繰越税額控除)→ 予見し難い国際経済事情の急激な変化に対応するための計画について、法律に基づく認定を受けた事業者については、繰越税額控除(3年間)が可能。
措置期間 令和11年3月31日までの間に設備投資計画につき、法律に基づく確認を受けた者が、その確認を受けた日から5年を経過する日までの間に取得等をし、事業の用に供した設備等を対象。
3.中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入
中小企業者等(従業員数400人以下)の事務負担を軽減するため、減価償却資産の取得価額については、1品目当たり40万円未満(改正前:30万円未満)の場合、損金算入が認められました。 ただし、当該事業年度における取得価額の合計額の限度額である300万円は据え置かれています。なお、本特例は令和11年3月31日まで、3年間延長されました。
4.中小企業投資促進税制の取得価額要件の見直し
中小企業投資促進税制における特別償却又は法人税額の特別控除の対象となる工具の取得価額要件について、「1台又は1基の取得価額が40万円以上(改正前:30万円以上)の工具の取得価額の合計額が120万円以上であること」に改正されました。
5.中小企業経営強化税制の取得価額要件の見直し
中小企業経営基盤税制における特別償却又は法人税額の特別控除の対象となる工具、器具及び備品の取得価額要件が40万円以上(改正前:30万円以上)に引き上げられました。

消費課税
1.免税事業者等からの課税仕入れに係る税額控除80%の経過措置の見直し
 令和5年10月1日から開始されたインボイス制度では、仕入税額控除の要件として適格請求書(インボイス)の保存が必要とされています。
 この制度においては、免税事業者(インボイス発行事業者以外の者)からの課税仕入れについて、令和5年10月1日から令和8年9月30日まで経過措置として仕入税額の80%を控除できる特例が設けられていました。
 令和8年9月30日をもって期限を迎えるこの特例について、令和8年度税制改正では、小規模事業者である個人事業者等が経済取引から排除されないよう配慮する観点から、以下のとおり経過措置が延長されました。
  ・令和8年10月1日から令和11年9月30日まで:仕入税額の70%
  ・令和11年10月1日から令和12年9月30日まで:仕入税額の50%
  ・令和12年10月1日から令和13年9月30日まで:仕入税額の30%

 これらの割合については、課税仕入れを行った事業者の納付税額の計算上、売上に係る消費税額から控除することが認められます。
 なお、免税事業者1者ごとの仕入れに係る年間適用上限額については、1億円(改正前:10億円)へ引き下げられました。
 ※令和8年10月1日以後に開始する課税期間から適用されます。
2.納税額を2割とする特例の見直し
 課税事業者を選択し、インボイス発行事業者となった個人事業者については、改正前において、仕入税額控除額を売上に係る消費税額の80%とし、納付税額を20%(2割)とする特例が適用されていました。
 令和8年度税制改正では、令和9年および令和10年を含む課税期間について、仕入税額控除額を売上に係る消費税額の70%とし、納付税額を30%(3割)とする特例が、2年間に限り設けられました。
 なお、本改正は個人事業者に限定して適用されるものであり、法人については対象外とされています。

所得課税
1.物価上昇局面における所得税の基礎控除・給与所得控除の引上げ
(1)基礎控除の引上げ
基礎控除について、合計所得金額が2,350万円以下である個人の控除額が4万円引き上げられ、62万円となり、さらに令和8及び9年分については、次の金額が基礎控除額に加算されます。
①合計所得金額が489万円以下・・・42万円
②合計所得金額が489万円以上655万円以下・・・5万円

なお、令和10年分以降については、37万円が加算されます。
結果として基礎控除額は次のとおりとなります。
令和8年・令和9年 令和10年
合計所得金額 基礎控除額 合計所得金額 基礎控除額
489万円以下
(665万6,000円未満)
104万円
(62+42)
132万円以下
(206万円以下)
99万円
(62+37)
655万円以下
(850万円以下)
67万円
(62+5)
2,350万円以下 62万円
2,350万円以下
(2,545万円以下)
62万円 2,400万円以下 48万円
2,400万円以下 48万円 2,450万円以下 32万円
2,450万円以下 32万円 2,500万円以下 16万円
2,500万円以下 16万円    
※かっこ書きは給与収入金額
上記の改正は、令和8年分以後の所得税に適用されます。
なお、給与等及び公的年金等の源泉徴収については、令和9年1月1日以後に支払うべき給与等又は公的年金等について適用されます。

(2)給与所得控除の引上げ
給与所得控除について、最低保障額65万円に物価上昇を考慮して4万円が加算され、69万円になります。
令和8年及び9年に限って5万円引き上げられ、合計74万円に引き上げられます。
令和8年及び9年の給与所得控除額は次のとおりとなります。
給与等の収入金額 給与所得控除額
改正後 改正前
190万円以下 69万円+5万円=74万円 65万円
190万円超 220万円以下 収入金額×30%+8万円
220万円超 360万円以下 収入金額×30%+8万円
360万円超 660万円以下 収入金額×20%+44万円
660万円超 850万円以下 収入金額×10%+110万円
850万円超 195万円
※令和8年分以後の所得税に適用

(3)扶養控除等の所得要件の改正
基礎控除額の引上げに伴い、次の表のとおり、扶養控除等の対象となる扶養親族等の所得要件が改正されました。
この給与所得控除の最低保障額の引上げに伴い、家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例について、 必要経費に算入する金額の最低保障額が69万円(改正前:65万円)に引き上げられました。
扶養親族等の区分 所得要件(給与収入)
改正後 改正前
扶養親族
同一生計配偶者
一人親の生計を一にする子
62万円
(136万円以下)
58万円以下
(123万円以下)
特定親族 62万円超123万円以下
(136万円超197万円以下)
58万円超123万円以下
(123万円超188万円以下)
配偶者特別控除の対象となる配偶者 62万円超133万円以下
(136万円超207万円以下)
58万円超133万円以下
(123万円超201万円6,000円未満)
勤労学生 89万円以下
(163万円以下)
85万円以下
(150万円以下)

(注)<令和8年の給与等の源泉徴収事務における留意事項>
令和8年11月までの給与等に係る源泉徴収事務については、変更は生じません。
令和8年分の給与等の源泉徴収事務においては、令和8年12月に実施する年末調整の際に、上記(1)の引上げ後の基礎控除額および上記(2)の改正後の国税庁作成による「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」に基づき、1年間の税額を計算します。
その上で、改正前の「源泉徴収税額表」に基づいて徴収した源泉徴収税額との精算を行うこととなります。
また、令和8年分の給与等の源泉徴収事務においては、上記(3)の改正について、令和8年12月1日以後に支払う給与等から適用されます。
この改正により、新たに扶養親族等の要件を満たすこととなった親族等に係る扶養控除等の適用を受けるためには、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」等の提出が必要となります。

2.住宅・土地税制の改正
住宅借入金等に係る所得税の特別控除の見直し
既存住宅のうち省エネ性能の高い認定住宅・ZEH水準省エネ住宅に係る借入限度額の引上げ、子育て世帯への上乗せ措置の対象の拡充、床面積要件の緩和等の見直しを行った上で適用期限が令和12年まで5年延長されます。
(1)一般の場合
①認定住宅等の新築又は買取再販売認定住宅等の取得の場合
住宅の区分 居住年 借入限度額 控除率 控除期間
認定住宅 令和8年~
令和12年
4,500万円 0.7% 13年
ZEH水準省エネ住宅 3,500万円 10年
上記以外の住宅 2,000万円
省エネ基準適合住宅 令和8年・
令和9年
2,000万円 0.7% 13年
省エネ基準適合住宅
(買取再販売認定住宅等)
令和10年~
令和12年
2,000万円

②既存認定住宅等の取得の場合
住宅の区分 居住年 借入限度額 控除率 控除期間
認定住宅 令和8年~
令和12年
3,500万円 0.7% 13年
ZEH水準省エネ住宅
省エネ基準適合住宅 2,000万円

(2)子育て世帯等に対する住宅ローン控除
①認定住宅等の新築又は買取再販売認定住宅等の取得の場合
住宅の区分 居住年 借入限度額 控除率 控除期間
認定住宅 令和8年~
令和12年
5,000万円 0.7% 13年
ZEH水準省エネ住宅 4,500万円
省エネ基準適合住宅 令和8年・
令和9年
3,000万円
省エネ基準適合住宅
(買取再販売認定住宅等)
令和10年~
令和12年

②既存認定住宅等の取得の場合
住宅の区分 居住年 借入限度額 控除率 控除期間
認定住宅 令和8年~
令和12年
4,500万円 0.7% 13年
ZEH水準省エネ住宅
省エネ基準適合住宅 3,000万円

3.その他の改正
青色申告特別控除の見直し
青色申告特別控除の適用要件と控除額について、次の見直しが行われます。
要件 青色申告特別控除額
改正後 改正前
複式簿記+優良な電子帳簿(訂正削除履歴)+電子申告 75万円
複式簿記+請求データ等との自動連携+電子申告
複式簿記+電子申告 65万円
複式簿記+優良な電子帳簿(訂正削除履歴) 10万円 65万円
複式簿記+請求データ等との自動連携
複式簿記+書面申告 10万円 55万円
簡易簿記(前々年分の事業所得又は不動産所得に
係る収入金額が1,000万円以下の場合)※
10万円
※前々年分の事業所得又は不動産所得に係る収入金額が1,000万円を超える場合には、青色申告特別控除額は0円

資産課税
1.教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、令和8年3月31日までとされている教育資金管理契約に基づく信託等可能期間を延長せずに終了することとし、 同日までに拠出された金銭等については、引き続き本措置を適用できることとされます。

2.相続税等の財産評価の適正化(貸付用不動産の評価方法の見直し)
貸付用不動産の市場価格と通達評価額との乖離を利用することによって相続税や贈与税の税額が大幅に圧縮されている事例が把握されていることから、評価通達第6項による対応では納税者の予測可能性が損なわれるという指摘を踏まえ、評価の適正化及び課税の公平性を図る観点から、財産評価基本通達に具体的な評価方法を定めることとなりました。

(1)一般の取得の場合
被相続人等が課税時期前5年以内に対価を伴う取引により取得又は新築をした一定の貸付用不動産については、課税時期における通常の取引価額に相当する金額によって評価します。
ただし、上記の課税時期における通常の取引価額に相当する金額については、課税上の弊害がない限り、被相続人等が取得等をした貸付用不動産に係る取得価額を基に地価の変動等を考慮して計算した価額の100分の80に相当する金額によって評価することができます。
この改正は、令和9年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した該当財産に適用されます。

(2)不動産の小口化商品の場合
小口化された貸付用不動産については、その取得の時期にかかわらず、課税時期における通常の取引価額に相当する金額によって評価します。
小口化された貸付用不動産とは、不動産特定共同事業契約又は信託受益権に係る金融商品取引契約のうち一定のものに基づく権利の目的となっている貸付用不動産をいいます。
また、通常の取引価格に相当する金額は、次に掲げるいずれかの金額を参酌して求めた金額により評価することができます。
 ①出資者等の求めに応じて事業者等が示した適正な処分価格・買取価格等
 ②事業者等が把握している適正な売買実例価額
 ③定期報告書等に記載された不動産の価格等
 
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