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経理のヒント

先日付小切手

■先日付小切手とは
 小切手をきる(発行する)ときに、振出日をその日より先の日付にして振り出した小切手を先日付小切手といいます。サキヒヅケコギッテあるいはサキビヅケコギッテと読みます。
実際の発行時には銀行の決済口座に残高はないけれど、振出日として記載した日までには資金手当が見込まれるような場合に、受取人が記載した日付以後に取立に回してくれることを想定して発行されます。

■危険と隣り合わせ
 先日付小切手は、振出日の前に受取人が銀行に持ち込まないという暗黙の合意が大前提です。手形と違い、小切手は銀行に呈示されると即決済(支払)ということになっているからです。手形の場合は、満期日前の呈示は効力がありません。
当事者間で振出日についての合意があったとしても、経理担当者がそれに気がつかずに銀行に持ち込んでしまうなどといった場合、決済口座の残高が不足していると不渡りになります。残高不足にはならないときでも相手の資金繰りに支障を及ぼしかねません。さらに、当事者が信用のおける者同士であればまだしも、今はカネがないといって振り出される小切手の危うさ、その振出日の前に悪意をもって銀行に持ち込まれる恐れ、とにかく危険と隣り合わせであることは知っておく必要があります。

■銀行に持ち込むと
 実務的には、銀行に振出日前の小切手を持参すると、理由を説明のうえ振出日前日まで銀行で預かり、当日になったら入金処理をするというようなこともなされているようです。
法律とは違った扱いですが、不測の事態を考慮してのことでしょう。
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税理士武藤巌事務所