副首都法が参院本会議で可決、成立しました。これにより副首都が指定され、首都圏に大災害が発生した時のバックアップ、さらには経済圏の分散が実現しようとしています。かねてから首都機能のバックアップ論はありました。かつては東京からそう遠くない地域に代替機能を用意するのが良いとされていました。ただ、今回の副首都法では首都のバックアップ機能が求められ、東京と同時に被災しないことが前提となっています。その中、大阪や名古屋、福岡、札幌などが指定に意欲を示しています。
ただ、副首都とはどのような都市なのか。副首都法が成立したものの、その姿ははっきりしないのが現状です。副首都が備えるべき機能や規模といった具体像は政府が今後、政令や基本方針などで定めることになっています。
具体像を考えるに、副首都は東京の行政機能を一部移すだけでは、十分なバックアップとはいえません。国会や中央省庁の業務、企業の本社機能、金融や情報通信など、東京に集中している重要な機能を、どこまで別の都市に分散させるのかが重要になります。また、災害時に東京と同時に機能を失わないためには、交通網や通信網、電力などのインフラも含めて、平時から備えておく必要があります。
一方で、副首都を1つの都市に集中させれば、そこに新たな一極集中を生む可能性もあります。大阪を中心としながら、福岡や札幌など複数の都市がそれぞれの強みを生かして機能を分担するという考え方もあります。副首都構想は、東京に次ぐ「第二の首都」をつくるというだけではなく、日本全体の都市や経済のあり方を見直す機会になるのかもしれません。今後、政府がどのような具体像を示すのかが注目されます。(了)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)