では、中小企業においては具体的にどのように脱炭素化・GX(グリーン・トランスフォーメーション)に向けた取組が行われているのでしょうか。そこで中小企業庁編「中小企業白書2025年版」においてGXへの自発的な取組により事業拡大を実現した企業の事例として紹介された備前発条株式会社(本社所在地:岡山県岡山市)の取組についてみていきましょう。
備前発条株式会社は、ヘッドレストやアームレストなどの自動車部品を中心に製造する企業です。現社長は2019年に父の後を継いで社長に就任しましたが、コロナ禍の影響を受ける中、環境に配慮しないものづくりでは取引先や社会の要望に応えられなくなるのではないかという強い危機感を覚え、環境に配慮した取組に着手しました。
まず、2020年にCO2削減ポテンシャル診断を受け、社内設備のCO2排出量の削減余地が大きいことを知りました。2023年には社内各部署から約10人を選抜して「SDGsチーム」を設置し、SDGsやGXのために何ができるか、自分たちの考えや思いを形にすることから取り組み始め、CO2排出量を経営の目標値に設定したことで、CO2削減の取組が加速しました。優秀な専門人材の入社も後押しとなり、CO2排出量の把握やCO2削減のロードマップ策定を実現しました。
従業員のアイデアに基づきCO2削減を達成する取組の積み重ねは、従業員の意識向上につながっています。また、こうした取組を同社公式サイトや展示会出展等で積極的に情報発信した結果、採用面の効果がみられたほか、既存の取引先や新規取引先からの受注増加につながりました。
このように、GXに向けた自発的な取組推進によって、従業員の意識向上や採用、業績向上につなげることも可能となるのです。(了)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)