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気になる『税務・法務』

非常食は、貯蔵品か?


常備する「非常食」は、貯蔵品?

 近年では、地震や風水害等の非常時に備えるため、防災用品や非常用食品などを常備する企業が増えています。
 今回は、非常時に備えるための物品の会計処理について考えてみましょう。

 災害等の緊急時に備えるものには、消火器や縄ばしごなどの備品類、軍手やマスクなどのいわゆる消耗品類、そして水や乾パン、缶詰などのような非常用食品があります。
 いずれも緊急事態に備えて常備しておくものですので、基本的には「備品」となりますが、消耗品でまだ事業に供していないもの、つまり未使用のものについては、原則として「貯蔵品」となります。

 ただ通常、これらで高額になるものは少ないでしょう。しかも税務上は、10万円未満の資産について、事業供用時(使用開始時)においてその全額を費用処理することが認められています。
 では、防災用品や非常食などを常備した場合は、いつ事業の用に供した(使用を開始した)と考えるのでしょうか?
 現実にこれらを使ったり、あるいは消費した時点なのでしょうか?

 ところで、防災用品や非常食の目的を考えてみてください。
 当然、これらを常備すること自体がその目的です。つまり常備することで、すでにその目的に使用しているといえるわけです。
 したがって、防災用品や非常食については、常備した時点で「消耗品費」等の費用となるのです。
 なお、非常食は通常、人数分しかも数日分用意するでしょうから、総額が10万円以上になったとしても、金額の判定は、一人当たりの個々の飲食の単位で行うべきかと思われます。

 また、所定の中小企業では、10万円を超えても30万円未満の資産については、その事業供用時に全額費用処理することができますが、一事業年度で総額300万円が限度であるなどの要件がありますので、ご留意ください。

 by (j東京 豊島区 池袋) 税理士 西尾会計事務所
2018年10月29日更新
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