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【時事解説】中小企業における賃上げ その2



 では、中小企業においては具体的にどのように賃上げに向けた取組みが行われているのでしょうか。そこで中小企業庁編「中小企業白書2025年版」において賃上げを実現している企業の事例として紹介された株式会社千成亭風土(本社所在地:滋賀県彦根市)の取組みについてみていきましょう。

 株式会社千成亭風土は、滋賀県のブランド牛である近江牛の生産から加工品の製造・販売、飲食サービスまでを一貫して行う企業です。同社ではコロナ禍の影響により飲食部門の利用客が減少したことにより賃金据置きを余儀なくされました。業況回復を目指す中、持続的な賃上げを見据えた賃上げ原資確保のための利益体質の強化が課題となりました。

 利益体質強化を目指す施策として、まずバックヤードの機械化による生産効率向上に着手し、経験の多寡を問わず品質安定化を実現しました。機械化により余裕が生じた人員は、人にしかできない業務の付加価値向上に注力しました。加えて、販売価格の見直しにも着手し、メニュー内容を見直したほか、高品質の製品を安定して提供可能になったことも後押しとなり、価格の全体的な底上げを進めました。

 機械化による生産効率向上で欠品率が減少し、小売・EC部門の売上が増加したほか、品質安定化に伴うロス率減少や価格転嫁も相まって、利益率も向上しました。一連の利益体質強化の取組を背景に、2023年度には3年ぶりの賃上げを実現しました。機械化による業務効率改善や賃上げは人材確保にも好影響を及ぼし、新卒採用者数の増加や、離職率の低下も実現しました。

 このように、省力化投資や価格転嫁により収益力を向上させたことが賃上げの実現につながっているのです。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
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