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【時事解説】中小企業の成長に向けたAI活用



 中小企業が「稼ぐ力」を高めるために付加価値額を増加させる取組の一つとして、AI活用による生産性向上が挙げられます。

 「中小企業白書2026年版」では、AIを「人工知能のことであり、画像認識、音声認識、自然言語処理、データ分析、意思決定支援、生成AI などを指す」と定義し、成長に向けたAI活用の取組状況についてアンケート調査を行っています。

 まず、AI活用の取組状況別に、付加価値額の変化率(中央値)についてみると、「取り組んだ」と回答した事業者の付加価値額の変化率は、「取り組んでいない」と回答した事業者の変化率と比べて高くなっていることから、成長に向けたAI 活用に取り組むことが、付加価値額の増加につながる可能性が指摘されています。

 次に、成長に向けたAI活用の取組状況を業種別にみると、「全体」では、約22.2%の事業者が「取り組んだ」と回答しているのに対し、「情報通信業(55.5%)」、「宿泊業、飲食サービス業(28.7%)」の順に「取り組んだ」と回答した割合が高くなっています。

 内閣府「人工知能基本計画(2025年12月23日閣議決定)」では、「AI を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」をAIトランスフォーメーション(以下、「AX」)と定義し、企業等におけるDX・AI利活用の取組状況の可視化や改革の取組が進む事業者に対する重点的な支援を図ることが提示されています。

 このように中小企業においてもAXによって業務効率化を推進するとともに、AI で代替されにくい強みの部分に注力することへの期待が高まっているのです。(つづく)

 では、中小企業において成長に向けたAI活用は具体的にどのように行われているのでしょうか。そこで「中小企業白書2026年版」において、AIを活用することでパフォーマンスを向上させ、生産性を向上させている企業の事例として紹介された株式会社オプトサイエンス(本社:東京都新宿区)の取組みについてみていきましょう。

 株式会社オプトサイエンスは、レーザーに関連した光学機器の輸入販売を行う商社です。同社の取り扱う製品は最先端かつ専門性が高く、個別の技術解説書やマニュアルが用意されていない場合が多いことから、営業担当者は関連する海外論文や英語マニュアルを探して読み込み、自ら技術解説文書を作成する必要がありました。また、広告作成においても膨大な商品群から製品を選び、適切なキャッチコピーを考えるのは容易ではありませんでした。

 現社長は、2023年より生成AI を導入し、現社長自ら率先してあらゆる業務への活用を試みました。入力する指示や質問の書き方について勉強会を開くなど、従業員が生成AIに触れる時間や環境も用意しました。

 その後、世界中の論文を収集して要約させたり、英語マニュアルを翻訳させ要点を抽出させたりといった営業担当者による活用が広がり、特に経験が少ない若手従業員の技術知識の補完につながりました。また、広告作成にも応用し、商品選定、キャッチコピーの作成、その選定理由や訴求ポイントなどを生成AI に出力させ、それを基に営業担当者が推敲、ブラッシュアップしていく方法を採用したことで、作業効率が劇的に向上しました。

 これらの取組により、同社では営業担当者のパフォーマンスや広告効果を向上させることが可能となっているのです。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
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