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【時事解説】首都機能をバックアップする副首都の姿とは~



 7月、副首都法が成立しました。こちらは、もう1つの首都、副首都に関する法律です。現在、日本は東京圏への政治・経済の一極集中がなされ、首都直下地震などの大災害が発生すると政治・行政・経済の中枢機能がマヒするといわれています。こうした災害時の、迅速なバックアップ機能として副首都を定めようというのが法律の主な目的です。

 加え、現在、東京には人口や経済が集中しています。集中する地域に対して、過密化の是正も副首都法の目的の1つになっています。副首都は多極分散型の経済圏としての役割をも担っています。

 副首都法の正式名称は「国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律」で、通称として副首都法と呼ばれています。7月24日に国会で可決・成立し7月31日に公布されました。内閣に総理大臣を本部長とする推進本部が設置され、今秋にも指定要件が定められて施行される見通しです。

 副首都法の制定により注目されるのはどの都市が副首都として指定されるかです。現在副首都はどこにするか決まっていません。大阪が最有力候補とされています。もともと大阪は大阪都構想を掲げており、大阪市を廃止して複数の特別区に再編する大都市制度改革などを進めようとしています。その一環として副首都の指定を目指しています。

 ほかにも、愛知県と名古屋市では同日に副首都の指定を目指すと発表しています。また、札幌市長は副首都の選定について北海道と推進組織を立ち上げ、目指すとの表明もしています。福岡をはじめとした他の地域でも、指定に意欲を示すところが現れています。今後、副首都の実現に向けて目が離せません。

 副首都法が参院本会議で可決、成立しました。これにより副首都が指定され、首都圏に大災害が発生した時のバックアップ、さらには経済圏の分散が実現しようとしています。かねてから首都機能のバックアップ論はありました。かつては東京からそう遠くない地域に代替機能を用意するのが良いとされていました。ただ、今回の副首都法では首都のバックアップ機能が求められ、東京と同時に被災しないことが前提となっています。その中、大阪や名古屋、福岡、札幌などが指定に意欲を示しています。

 ただ、副首都とはどのような都市なのか。副首都法が成立したものの、その姿ははっきりしないのが現状です。副首都が備えるべき機能や規模といった具体像は政府が今後、政令や基本方針などで定めることになっています。

 具体像を考えるに、副首都は東京の行政機能を一部移すだけでは、十分なバックアップとはいえません。国会や中央省庁の業務、企業の本社機能、金融や情報通信など、東京に集中している重要な機能を、どこまで別の都市に分散させるのかが重要になります。また、災害時に東京と同時に機能を失わないためには、交通網や通信網、電力などのインフラも含めて、平時から備えておく必要があります。

 一方で、副首都を1つの都市に集中させれば、そこに新たな一極集中を生む可能性もあります。大阪を中心としながら、福岡や札幌など複数の都市がそれぞれの強みを生かして機能を分担するという考え方もあります。副首都構想は、東京に次ぐ「第二の首都」をつくるというだけではなく、日本全体の都市や経済のあり方を見直す機会になるのかもしれません。今後、政府がどのような具体像を示すのかが注目されます。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

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