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【時事解説】中小企業における研究開発の推進



 中小企業が「稼ぐ力」を高めるためには付加価値額を増加させることが有効であり、付加価値額を増加させる取組の一つに研究開発の推進が挙げられます。
 「中小企業白書2026年版」では、研究開発の取組状況や効果、研究開発における連携などについてアンケート調査を行っています。

 製造業・非製造業別に、研究開発の取組状況についてみると、製造業では、6割の事業者が、非製造業では約3割の事業者が「取り組んだ」と回答しています。
 研究開発に取り組んでいる事業者の研究開発における実用化・収益化の状況についてみると、「実用化し、収益化できている」と回答した事業者が約5割、「実用化したが、収益化できていない」と回答した事業者が約3割存在することがわかります。

 研究開発に取り組んでいる事業者の研究開発における問題点について回答割合の高い順にみると、「必要な技術・ノウハウを持つ人材が不足している(54.1%)」、「多額の費用が掛かる(29.1%)」、「研究成果を収益化に結びつけられない(22.2%)」の順となっています。
 研究開発に取り組んでいる事業者の研究開発における連携先について回答割合の高い順にみると、「中小企業(26.3%)」、「大企業(13.9%)」、「大学等の高等教育機関(10.1%)」の順となっています。一方で、「連携先はない」と回答した事業者の割合は45.8%と約5割を占めています。
 研究開発における連携の効果について回答割合の高い順にみると「技術力の補完(49.8%)」、「専門人材・知識の補完(45.2%)」、「販路の拡大(34.9%)」の順となっています。

 このように外部組織との連携によって研究開発に必要な経営資源の補完につながる可能性があるのです。

 では、中小企業が研究開発を推進するうえでは具体的にどのような取組みが求められるのでしょうか。そこで「中小企業白書2026年版」において、地域の中小企業3社が連携して研究開発に取り組み、新規事業創出を実現させた事例として紹介されたTAFLINK(所在地:静岡県浜松市)の取組みについてみていきましょう。

 TAFLINKは、静岡県浜松市内に所在する3社(株式会社東洋鉄工所:住宅用木材加工機械製造業、株式会社アラキエンジニアリング:ロボット技術のコンサルタント業、藤本工業株式会社:ダイカストのバリ取り業)が連携して結成した、汎用バリ取りロボットのSIer チームです。

 2013年頃に、株式会社東洋鉄工所と株式会社アラキエンジニアリングが自動バリ取り装置の研究開発を共同で開始し、性能試験段階まで試作が進んだ2015 年頃に、バリ取り業を営む藤本工業株式会社がチームに加わり、3社の連携が始まりました。

 藤本工業株式会社は試作機を使用し専門家としてフィードバックを行い、2017年にロボット初号機を同社に正式導入するまでに至りました。バリ取りロボットの導入相談から設計・製作、現場での運用やメンテナンスまで一貫して対応する開発の進め方を強みとしたビジネスモデルで「汎用バリ取りロボットの導入サービス」を事業化することに決め、2020年に3社の連携体を「TAFLINK」と命名しました。さらに支援機関も活用しながら事業コンセプトや販売戦略を策定し、バリ取りロボットを市場投入しました。

 TAFLINKの活動を通じて、他社の企業文化に触れることは各社の従業員のモチベーション向上につながるとともに、採用面でもイメージアップとなり、若者や女性からの応募が来るようになるなどの効果がみられています。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
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