川崎会計事務所 税理士 川崎直美
法人税・所得税・相続税・消費税・経営計画 初めての方にも親切に応対いたします。
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宝塚の話①
すでにご存じの方も多いと思いますが、去る9月30日に宝塚歌劇団宙(そら)組に所属する25歳の団員(以下「生徒」と呼びます)が自宅マンションから転落死したそうです。状況から考えて宝塚警察署は自殺と見ています。
なんとも痛ましい事件で、まずは亡くなられたこの生徒さん、有愛きいさん(以下「故人」といいます)のご冥福を祈るとともに、ご遺族にはお悔やみを申し上げます。
以下個人的に思うところを述べますが、私は宝塚の生徒さんやその親族等に直接の知り合いはいませんし、特定の生徒さんの私設ファンクラブなどとも縁がなく年に数回観劇する程度の「ライトな」宝塚ファンです。よって今回の事件についても事実を劇団関係者から直接聞いたわけではなく、ましてやこの目と耳で見聞きしたわけでもありません。ゆえに、すべては推測の域を出ないことをあらかじめお断りさせていただいた上で、宜しければおつきあい下さい。
(1)重大な人的損失
歌劇団の生徒さんたちは倍率20倍以上という宝塚音楽学校に入学し、2年間の教育を受けて舞台に立ついわば精鋭。そのような人材の一人が失われたことは宝塚にとって大きな損失です。昨今将来の目標が定まらない若者が多い中、幼いうちから宝塚に入りたいという夢を持ち、それを実現させた意志と実力の持ち主が25歳にして自ら命を絶ったということはこの国にとって憂えるべきことといっても過言ではないでしょう。
(2)劇団内でのパワハラと自殺との関連
宝塚ファンの間では知られたことですが、劇団内は完全な「年功序列」制。先輩劇団員(上級生)には絶対服従の世界だということは周知の事実です。統制を重視すればある意味合理的なことなのですが、行き過ぎるとろくなことはありません。報道されているような、上級生からの厳しい叱責や罵倒、ヘアアイロンによる傷害なども実際あったと言われても不思議ではありません。
労働環境もブラックの極みで、典型的な「やりがい搾取」。故人が亡くなる直前1ヶ月間の時間外労働が277時間に及ぶとの遺族側弁護士の発言には衝撃を受けました。もっとも生徒と経営母体である阪急電鉄との雇用関係は入団5年目までで、7年目の故人とは業務委託契約を交わしていたとのこと。しかし弁護団は両者の間には明らかな支配従属関係があったとして事実上の雇用関係にあったと主張しています
また、生徒同士だけでなく演出家(生徒たちからは先生と呼ばれている)から生徒へのパワハラや暴言も日常茶飯事だそうです。先生たちは配役に関しての権限をもっているので上級生の比ではないほど力関係は固定していて、いかに理不尽なことがあっても生徒たちが逆らうのは至難の業です。このような環境で疲れ果てた結果だとすれば、これらは自殺との因果関係がなかったとは言えないでしょう。
(3)このままでいいはずはない
宝塚に限らず、舞台の仕事というのは本番勝負の厳しい世界です。何度も撮り直しが可能な映画やドラマとは違って並はずれた度胸と集中力が求められます。演出家や上級生が厳しく指導するのはある程度は必然ではないかと思うのですが、自殺に追い込むほどの叱責や傷害などは許されるわけがありません。長時間労働にしても同じです。阪急側は今後公演回数を減らす等の改善策を考えているようですが、舞台に立っているのは生身の人間なのですから、その出演者たちの健康を損ねてまで作る作品に価値はありません。
そして、絶対的年功序列も見直すべき時期にきています。人望も指導力もなくただ上級生だという理由だけで下級生を支配しようとする人物は尊敬も信頼もされなくて当然です。行き過ぎた叱責や傷害で故人を追い詰めた宙組の上級生たちは、報道が事実ならば責任をとって退団すべきではないでしょうか。
(以下②に続きます)
なんとも痛ましい事件で、まずは亡くなられたこの生徒さん、有愛きいさん(以下「故人」といいます)のご冥福を祈るとともに、ご遺族にはお悔やみを申し上げます。
以下個人的に思うところを述べますが、私は宝塚の生徒さんやその親族等に直接の知り合いはいませんし、特定の生徒さんの私設ファンクラブなどとも縁がなく年に数回観劇する程度の「ライトな」宝塚ファンです。よって今回の事件についても事実を劇団関係者から直接聞いたわけではなく、ましてやこの目と耳で見聞きしたわけでもありません。ゆえに、すべては推測の域を出ないことをあらかじめお断りさせていただいた上で、宜しければおつきあい下さい。
(1)重大な人的損失
歌劇団の生徒さんたちは倍率20倍以上という宝塚音楽学校に入学し、2年間の教育を受けて舞台に立ついわば精鋭。そのような人材の一人が失われたことは宝塚にとって大きな損失です。昨今将来の目標が定まらない若者が多い中、幼いうちから宝塚に入りたいという夢を持ち、それを実現させた意志と実力の持ち主が25歳にして自ら命を絶ったということはこの国にとって憂えるべきことといっても過言ではないでしょう。
(2)劇団内でのパワハラと自殺との関連
宝塚ファンの間では知られたことですが、劇団内は完全な「年功序列」制。先輩劇団員(上級生)には絶対服従の世界だということは周知の事実です。統制を重視すればある意味合理的なことなのですが、行き過ぎるとろくなことはありません。報道されているような、上級生からの厳しい叱責や罵倒、ヘアアイロンによる傷害なども実際あったと言われても不思議ではありません。
労働環境もブラックの極みで、典型的な「やりがい搾取」。故人が亡くなる直前1ヶ月間の時間外労働が277時間に及ぶとの遺族側弁護士の発言には衝撃を受けました。もっとも生徒と経営母体である阪急電鉄との雇用関係は入団5年目までで、7年目の故人とは業務委託契約を交わしていたとのこと。しかし弁護団は両者の間には明らかな支配従属関係があったとして事実上の雇用関係にあったと主張しています
また、生徒同士だけでなく演出家(生徒たちからは先生と呼ばれている)から生徒へのパワハラや暴言も日常茶飯事だそうです。先生たちは配役に関しての権限をもっているので上級生の比ではないほど力関係は固定していて、いかに理不尽なことがあっても生徒たちが逆らうのは至難の業です。このような環境で疲れ果てた結果だとすれば、これらは自殺との因果関係がなかったとは言えないでしょう。
(3)このままでいいはずはない
宝塚に限らず、舞台の仕事というのは本番勝負の厳しい世界です。何度も撮り直しが可能な映画やドラマとは違って並はずれた度胸と集中力が求められます。演出家や上級生が厳しく指導するのはある程度は必然ではないかと思うのですが、自殺に追い込むほどの叱責や傷害などは許されるわけがありません。長時間労働にしても同じです。阪急側は今後公演回数を減らす等の改善策を考えているようですが、舞台に立っているのは生身の人間なのですから、その出演者たちの健康を損ねてまで作る作品に価値はありません。
そして、絶対的年功序列も見直すべき時期にきています。人望も指導力もなくただ上級生だという理由だけで下級生を支配しようとする人物は尊敬も信頼もされなくて当然です。行き過ぎた叱責や傷害で故人を追い詰めた宙組の上級生たちは、報道が事実ならば責任をとって退団すべきではないでしょうか。
(以下②に続きます)
2023年12月2日更新
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