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電子メールの保存義務

現在、電子メールはビジネスにおいても不可欠のツールになっています。電子メールが利用されはじめた当初は、「電子メールが届かない」「電子メールが遅れて届いた」「文字が化(ば)けている」などのトラブルが多発し、上司から「電子メールを出したら、届いたかどうか電話で確認しろ」と指示されるというような一幕をよく見聞きしましたが、最近ではそのようなこともなくなってきました。

 ところで、アメリカでは電子メールを7年間(SEC)、ないし3年間(SOX法)保存する義務を課した規定や法規があります。また、訴訟対策として、電子メールを永久保存している企業も少なくないそうです。

 一方、日本には企業に対して電子メールの保存を明確に義務付けている法律はありません。ただ、個人情報保護法および日本版SOX法においては、個人情報の保護や不正に対する監視(監査)と予防という観点から、通信記録の保存の必要性がうたわれています。
 もし、個人情報の漏洩や不正が発覚し、それが電子メールを通じて行われた場合、電子メールを保存・管理していなかった企業の責任が問われることは間違いないでしょう。

 さらに、電子メールが普及した現在、発注書や納品書、請求書といった重要な書類(証憑類)も電子メールでやり取りされる機会が増えてきました。電子化された文書(電子文書)には印紙税がかからないことから、積極的に契約書等を電子化している業界もあります。
 また、訴訟等において電子メールが証拠として提出され、採用されることは既に常識です。電子メールを保存していなかった会社が、一方的に不利な電子メールを相手方から証拠として提出されて敗訴した、という例もたくさんあるようです。

 「形が残らず、改ざん可能な電子メール」だからといって、軽視する時代は既に終わっています。可能ならば、電子メールの長期保存が可能なメールサーバーやメールサービスを導入するなどの対策を是非とりましょう。
 コスト等の面でそれが難しいのならば、社内規定等で電子メールの破棄を禁止することや、電子メールデータのバックアップを会社に提出させるといった対策も考えられます。
2007年10月4日更新
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三輪 徹夫 税理士事務所