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【時事解説】国民感情と乖離するインフレ目標



 近年、インフレがすっかり定着し、かつて話題になった「インフレ目標」という言葉が聞かれなくなりました。今、到来しているインフレも日銀が掲げたインフレ目標の結果ではないことは明らかです。インフレ目標は国民感情と乖離するものではなかったかという気がします。ここで、インフレ目標とは何だったのかを、振り返ってみたいと思います。

 日銀は2%のインフレ目標を設定しました。インフレになれば賃金が上がり、経済が好循環に入るというのが、日銀の論理です。しかし、インフレになれば必ず賃金が上昇するという保証はありません。賃金上昇率がインフレ率を上回るかどうかが、今の焦点です。リフレ派は今回の物価上昇はデマンドプル型ではなくコストプッシュ型だから、その転換のためにも高い賃金上昇が必要だと主張します。たとえリフレ派が主張する通り、賃金が上昇すれば経済の好循環が生まれるとしても、賃金上昇より物価上昇が先にあるのですから、賃金が上昇するまでの間、国民には物価の先行上昇に耐えてもらわなければなりません。

 日銀がインフレ目標を本気で達成しようとするなら、それこそ総力を挙げて、国民に「賃金が上がるまでの間、物価上昇に我慢してくれ」とお願いしなければならないはずです。しかるに、今回の一連の経緯を見れば、日銀にそこまでの覚悟はないように見えます。

  もう一つ、物価上昇に関して、日銀と国民感情が離れていると感じるのは物価指数の一つである「コアコアインフレ(CPI)」の重視です。

 発表される消費者物価指数(CPI)には次の3種類があります。すべての物価を包含する「総合CPI」、生鮮食品を除く「コアCPI」、そして、生鮮食品とエネルギーを除く「コアコアCPI」です。生鮮食品とかエネルギーは気候や国際情勢に大きく左右されるので、日銀はそれらを除くコアコアCPIを重視するといっています。しかし、庶民とすれば、毎日消費する食品とエネルギーこそが物価の中核です。それを外した指標が低いから、まだまだ物価が上がるべきだという日銀の主張は庶民離れしていると言わざるを得ません。

 一般庶民はいつの時代も低い物価を望んでいます。その物価の上昇を目指すインフレ目標を国民に納得してもらうことは容易ではありません。物価が上昇すれば、どういう経路で我々の生活が豊かになるか、筋道を立てて根気強く説明することが求められます。

 リフレ派が主導するインフレ目標(デマンドプル型)には、当初からその論理的な妥当性に疑問を呈する意見は根強くありました。実現可能性の困難さに加え国民に対する訴求力のなさを考えると、日銀はいつまでもインフレ目標に固執しない方がいいのではないかと思います。

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
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