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【時事解説】不祥事を防止するために必要なトップの資質 その1



 三菱電機の鉄道車両向け製品の検査不正問題など、一流とされる企業の不祥事が続きます。こうした企業不祥事が起こるたびに繰り返される議論に、取締役や監査役などの社外役員は機能していたのか、というものがあります。

 こうした不祥事は取締役会で議論されなかった可能性もありますから、社外役員は知らなかったかもしれません。つまり、経営トップが隠蔽してしまえば、社外役員がこうした不祥事防止に権限を振るうことはできないのです。
 だからといって、社外役員が免責されるというわけではありません。社外役員が経営全般を把握できるような体制を築くべきだという意見も当然あります。ただ、経営トップがまったく信じられないという前提で、防止体制を構築するとしたら、膨大な時間とコストがかかります。それよりも、そうした不祥事を起こさない経営トップを選任するシステムを構築する方が生産的でしょう。

 三菱電機がこの不祥事を自力で解決できる契機あったとしたら、それは経営トップ、つまり社長の交代時にあったように思います。
 社長が変わった時、検査不正問題の報告を受けていれば、何らかのアクションをとれたのではないでしょうか。社長という最高権力を握ったのですから、やろうと思えばできる権限はあったはずです。できなかったのは、“倫理観の欠如である”という陳腐化した決まり文句で片付けてしまってはいけないのだと思います。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
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