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【時事解説】中小企業における業務プロセスの見直しによる生産性向上



 中小企業において人手不足が深刻化する中、現有の従業員を生かすべく労働生産性向上に向けて、業務プロセスの見直しによって業務効率化を図ることが求められています。
 以下で、「中小企業白書2018年版」において実施した、「人手不足対応に向けた生産性向上の取組に関する調査」に基づき中小企業における業務プロセスの見直しの現状と課題などについてみていきましょう。

中小企業における業務見直しの実施状況をみると「部門単位で業務の見直しを行っている」が26.7%、「個々の従業員のレベルで日々工夫しながら業務の見直しを行っている」が24.9%と続いており、多くの中小企業が、業務見直しの取組を行っていることがわかります。

 業務見直しの具体的な取組内容について回答割合の高い順にみると、「業務の標準化・マニュアル化」が40.2%、「不要業務・重複業務の見直し・業務の簡素化」が40.0%、「業務の見える化」が30.6%となっています。

 業務見直しに取り組んだきっかけについて回答割合の高い順にみると、「人手不足対応」が46.5%、「業務に非効率・無駄を感じた」が 41.0%、「働き方改革への取組」が31.4%となっています。

 業務見直しを行うに当たっての課題についてみると、「業務に追われ、業務見直しの時間が取れない」が 50.6%と他の項目に比べて高い割合を示しており、次いで「取組を主導できる人材が社内にいない」24.1%、「取組の目的や目標が上手く設定できない」17.5%の順となっています。

 このように、中小企業における業務プロセスの見直しにおいては、業務見直しの時間の確保に加え、推進役となる人材の不足等、業務見直しを行うための環境整備も課題となっているのです。
では、中小企業において、具体的にどのような業務プロセスの見直しによる生産性向上の取組がみられるのでしょうか。そこで「中小企業白書2018年版」において、業務効率化を実現させ生産性を向上させた企業として紹介された株式会社小豆島国際ホテル(本社:香川県土庄町)の事例についてみていきましょう。

 株式会社小豆島国際ホテル(従業員125 名、資本金1億円)は、1963年創業の客室120室のリゾートホテルを運営する事業者です。 小豆島では少子高齢化と人口減少が進む状況において、同社が今後も人材を確保し続けていくためには、生産性向上を進め労働条件を整備していくことが重要だと考えていました。

 そこで同社では、外部の経営コンサルタントを活用し業務の見直しを進めました。総支配人のリーダーシップのもと、業務改善に意欲的な従業員とコンサルタントで構成するチームを編成して客室整備業務等における既存の業務の無駄を洗い出し、不要業務の廃止や見直しを行いました。 例えば、一部客室に急須の設置をやめてマグカップとスティック茶に簡略化を行った結果、急須の漂白時間が短縮され、年間で30 時間程度の業務時間の削減につながりました。このように業務の必要性を精査し、廃止や見直しを進めることによって、年間で1,800時間もの業務時間の削減効果が得られました。 さらに、一連の取組をきっかけに従業員が自発的に改善提案を行う風土が広がったことで、個々の従業員の創意工夫が発揮され顧客対応も改善しました。

 このように業務プロセスの見直しを進めることは、業務の効率化だけでなく付加価値向上や人材確保の効果ももたらすのです。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
2019年2月6日更新
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