1.【制度の概要】
以下に掲げる被相続人が居住又は事業をしていた建物等の敷地等のついては、それを承継した相続人の生活や事業への税負担を考慮して小規模宅地等として50%~80%(限度面積制限有り)の評価減をすることが出来ます。
2.【特定居住用宅地等(330㎡まで80%減額)】
特定居住用宅地とは、被相続人の居住の用に供されていた宅地等(それが2以上ある場合は主として居住の用に供していたものに限る)その被相続人の配偶者(要件なし)又は以下に掲げる要件を満たすその被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したもの。
①同居親族
相続開始の直前において被相続人と同居していた親族で相続開始時から相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を所有し、かつ相続税の申告期限までその家屋に居住していること
②家なき子の特例(被相続人の配偶者及び法定相続人である同居親族がない場合に限る)
相続開始前3年以内に国内にあるその親族、その者の配偶者または3親等内の親族、関係する同族会社・一般社団法人等の所有する家屋に居住したことがなく、相続開始時から相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を所有していること
③生計一親族
被相続人と生計を一にしていた親族が、相続開始時から相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を所有し、かつ相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を自己の居住の用に供していること
3.【特定事業用宅地等(400㎡まで80%減額)】
特定事業用宅地等とは、被相続人の事業(準事業を含み、不動産貸付業を除く)の用に供されていた宅地等で次の①又は②の要件を満たすその被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したもの。
①事業承継
被相続人の親族が相続開始時から相続税の申告期限までの間にその宅地等の上で営まれていた被相続人の事業を承継し、相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を所有し、かつ相続税の申告期限まで引き続きその事業を営んでいること
②生計一親族
被相続人と生計を一にしていた親族が、相続開始時から相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を所有し、かつ相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を自己の事業の用に供していること
4.【特定同族会社事業用宅地等(400㎡まで80%減額)】
特定同族会社(注)の事業(不動産貸付事業を除く)の用に供されていた宅地等で、その宅地等を相続又は遺贈で取得したその被相続人の親族が相続開始時から相続税の申告期限まで引き続きその法人の事業の用に供されているもの
(注)特定同族会社とは相続開始の直前においてその被相続人及びその被相続人の親族その他その被相続人と特別の関係がある者が有する株式又は出資金額の議決権が10分の5を超える法人をいう
5.【貸付事業用宅地等(200㎡まで50%減額)】
貸付事業用宅地等とは、被相続人の事業(不動産貸付業等に限る。以下貸付事業という)の用に供されていた宅地等で次の①又は②の要件を満たすその被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したもの。
①事業承継
被相続人の親族が相続開始時から相続税の申告期限までの間にその宅地等に係る被相続人の貸付事業を承継し、相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を所有し、かつ相続税の申告期限まで引き続きその貸付事業の用に供していること
②生計一親族
被相続人と生計を一にしていた親族が、相続開始時から相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を所有し、かつ相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を自己の貸付事業の用に供していること
※平成30年4月1日より、相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等が除外されることに改正されました。