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【時事解説】良いインフレは到来するのだろうか? その1
政府・日銀はいまだに「デフレ脱却宣言」をしていませんが、現在の物価動向は明らかにインフレに転換しています。果たして、アベノミクス開始当初言われていた経済を好転させる「良いインフレ」は到来するのでしょうか。
かつて、アベノミクスを主導していた人々は、「日本経済低迷の最大の要因はデフレであり、インフレに転換さえできれば日本経済は回復する」と主張していました。当初、当時の日銀の黒田総裁は「2年で結果を出す」と言っていたのですが、在任中にインフレ目標を達成することはできませんでした。現在のインフレは日銀の量的金融緩和政策の結果ではなく、パンデミックや戦争等による海外発の物価上昇が主因とされています。
リフレ派の理論には、次の2点で思い違いが生じたことになります。一つは日銀の量的金融緩和政策で物価を自由にコントロールできないということ、そしてもう一つはインフレになったからといって経済状況は改善しないということです。
これに対し、リフレ派の人々は次のように反論します。そもそもインフレには良いインフレと悪いインフレの2種類がある。良いインフレとは需要が物価を引き上げるデマンドプル型で、このインフレになれば、物価と賃金が好循環に上昇し、経済は活況になる。一方、悪いインフレはコストが物価を押し上げるコストプッシュ型で、このインフレだと経済は好転しない。だから、日銀の金融政策でデマンドプル型インフレを目指すのだ、と。
しかし、物価と賃金が好循環に上昇するデマンドプル型インフレなど本当に起こせるのでしょうか。リフレ派が想定するのは高度経済成長期のインフレでしょうが、それ以来、半世紀にわたり、デマンドプル型インフレは発生していません。アベノミクスであれだけ金融緩和を行いながら起こせなかったのですから、デマンドプル型インフレなどもはや到来しないことが判明したと考えた方がいいのではないかと私は思います。とすると、インフレに良いインフレはなくなり、悪いインフレのみ残ることになります。(つづく)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
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