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【時事解説】政府の新成長戦略は不況脱出のニューディールとなるか?!
100年に1度といわれる世界同時大不況の中で、日本政府は中小企業向けの資金繰り対策としての緊急保証制度、売上激減による休業支援のための雇用調整助成金の見直し、落ち込んだ消費需要を回復させるための定額給付金支給など短期的な不況対策を実施している。
しかし、短期の政策は応急処置にはなるが、次の成長にはつながらない。そこで日本政府は今回、中・長期的な観点に立った、最大60兆円の需要創造と200万人の雇用創出を目指す経済成長戦略原案を発表することとなった。経済成長戦略の骨子は①低炭素革命②健康長寿③底力発揮という3つの柱で構成されており、政府は2011年度までの今後3年間にこの分野へ財政を集中投資する方針を打ち出した。
不況は需要不足によって起きるのであり、不況を脱出するためには公共投資によって需要を創出し、完全雇用を実現するという理論を唱えたのは経済学者ケインズである。そのケインズ理論を実行した代表例がアメリカの第32代大統領フランクリン・ルーズベルトが行ったニューディール政策である。ルーズベルトはテネシー川流域にダムを建設することで大量の雇用を創出し、不況脱出をはかった。
しかし、政府による大規模な財政出動は国家財政の破綻にもなりかねず、小渕内閣の時代は景気回復に大量の国債を発行し(3年で100兆円)、日本の財政が危機的状況となっていた。この反省から次の小泉政権では「民間でできることは民間で」という基本方針で民間活力を使った財政再建を行ってきた。一例を挙げれば、規制改革を徹底的に進めることで小さな政府をめざした。
しかし、今回のような世界同時不況にあっては企業の合理的経済活動の後押しだけでは不況脱出は不可能である。
むしろ一企業の合理的経済活動が経済全体を縮小させるという合成の誤謬が生じてしまう。こんな不況期には、アメリカを筆頭に世界の主要国がお互いに保護貿易主義に走ることなくケインズ流の内需拡大策を採り、経済を活発にすることが世界不況脱出の道であることは歴史上も明らかである。
日本はアメリカに次ぐ経済大国であり、今回の政府の成長戦略案は日本一国のためではなく、世界同時不況の脱出にも貢献するものであり、麻生自民党政権に替わる政権が生まれたとしてもこの成長戦略原案は当然引き継がれなければならない。
現在、多くの企業経営者は極度の売上不振により資金繰り対策・損益分岐点切り下げのためのコスト削減に懸命になっており、雇用確保に悩んでいることと思う。しかし、この苦しい局面をしのげば次は明るい未来が待っていると思うことが大事ではないか。今回、政府が発表した成長戦略原案の3本柱で列挙されている具体的内容は中堅中小企業が事業化をチャレンジできる分野も多い。
経営者には今回発表された政府の成長戦略をぜひ研究していただきたい。そして自社のSWOT分析[自社の強み(Strength)、弱み(Weakness)といった内部要因と、市場や顧客獲得の機会(Opportunity)、脅威(Threat)といった外部要因をマトリックスにして客観的に分析する]を行い、新たな事業の成長戦略を考えていただきたい。変化の時代はチャンスの時代である。
(アタックスグループ 公認会計士・税理士 丸山弘昭氏)
しかし、短期の政策は応急処置にはなるが、次の成長にはつながらない。そこで日本政府は今回、中・長期的な観点に立った、最大60兆円の需要創造と200万人の雇用創出を目指す経済成長戦略原案を発表することとなった。経済成長戦略の骨子は①低炭素革命②健康長寿③底力発揮という3つの柱で構成されており、政府は2011年度までの今後3年間にこの分野へ財政を集中投資する方針を打ち出した。
不況は需要不足によって起きるのであり、不況を脱出するためには公共投資によって需要を創出し、完全雇用を実現するという理論を唱えたのは経済学者ケインズである。そのケインズ理論を実行した代表例がアメリカの第32代大統領フランクリン・ルーズベルトが行ったニューディール政策である。ルーズベルトはテネシー川流域にダムを建設することで大量の雇用を創出し、不況脱出をはかった。
しかし、政府による大規模な財政出動は国家財政の破綻にもなりかねず、小渕内閣の時代は景気回復に大量の国債を発行し(3年で100兆円)、日本の財政が危機的状況となっていた。この反省から次の小泉政権では「民間でできることは民間で」という基本方針で民間活力を使った財政再建を行ってきた。一例を挙げれば、規制改革を徹底的に進めることで小さな政府をめざした。
しかし、今回のような世界同時不況にあっては企業の合理的経済活動の後押しだけでは不況脱出は不可能である。
むしろ一企業の合理的経済活動が経済全体を縮小させるという合成の誤謬が生じてしまう。こんな不況期には、アメリカを筆頭に世界の主要国がお互いに保護貿易主義に走ることなくケインズ流の内需拡大策を採り、経済を活発にすることが世界不況脱出の道であることは歴史上も明らかである。
日本はアメリカに次ぐ経済大国であり、今回の政府の成長戦略案は日本一国のためではなく、世界同時不況の脱出にも貢献するものであり、麻生自民党政権に替わる政権が生まれたとしてもこの成長戦略原案は当然引き継がれなければならない。
現在、多くの企業経営者は極度の売上不振により資金繰り対策・損益分岐点切り下げのためのコスト削減に懸命になっており、雇用確保に悩んでいることと思う。しかし、この苦しい局面をしのげば次は明るい未来が待っていると思うことが大事ではないか。今回、政府が発表した成長戦略原案の3本柱で列挙されている具体的内容は中堅中小企業が事業化をチャレンジできる分野も多い。
経営者には今回発表された政府の成長戦略をぜひ研究していただきたい。そして自社のSWOT分析[自社の強み(Strength)、弱み(Weakness)といった内部要因と、市場や顧客獲得の機会(Opportunity)、脅威(Threat)といった外部要因をマトリックスにして客観的に分析する]を行い、新たな事業の成長戦略を考えていただきたい。変化の時代はチャンスの時代である。
(アタックスグループ 公認会計士・税理士 丸山弘昭氏)
- 参考URL:アタックスグループ
2009年5月23日更新
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