法務省が公表した2025年度の「相続土地国庫帰属制度の運用状況」によると、23年4月27日の制度開始から今年3月末までの累計申請件数は5252件で、このうち国に帰属されたのは2605件でした。23年度の申請件数は運用開始から約11カ月間で1905件、2年目の24年度は年間1675件、3年目となる25年度は同1672件。申請件数はほぼ横ばいで、制度の利用は思いのほか進んでいないといえます。一方、国に帰属された件数は25年3月末時点までの累計で1486件だったことから、この1年間で1119件増えた計算となります。
累計申請件数5252件を地目別の内訳でみると、「田・畑」が2042件で全体の39%を占めています。「宅地」は1828件で35%、「山林」は814件で15%、「その他」は568件で11%でした。国に帰属された件数2605件を種目別の内訳でみると、「宅地」が948件で全体の36%を占めています。「農用地」は849件で33%、「森林」は171件で7%、「その他」は637件で24%でした。
申請が却下された件数は80件、不承認となった件数は81件、申請を取り下げた件数は980件でした。
申請件数が思いのほか伸びていない理由としては、申請時の必要書類が多いこと、引き取り要件が多岐にわたることなどが挙げられます。申請の際には一筆当たり1万4千円の審査手数料が必要で、申請を取り下げた場合でも返還されず、再申請のたびに費用がかかります。国に帰属されたケースでも10年分の土地管理費相当額の負担金が必要になります。また、審査に時間がかかることも申請件数が伸びない要因だとされています。申請を受理する各地の法務局では審査に要する標準的な期間を「約8カ月」としています。
<情報提供:エヌピー通信社>