令和2年通常国会に提出された年金制度改革関連法が令和2年5月29日に参議院本会議で
可決、成立されました。
今回の成立により、公的年金に関して主に次のような改正がされます。
(1)令和 3 年 4 月 1 日施行
・国民年金保険料の申請全額免除基準に未婚のひとり親や寡夫を追加します。
・短期滞在の外国人に対する脱退一時金について、支給上限年数を3年から政令で
定める年数 (具体的には 5 年を想定) に引き上げます。
(2) 令和 4 年 4 月 1 日施行
★繰り下げ受給可能年齢の選択肢の拡充
・現行制度では、支給開始年齢を65歳としているが、受給時期を前後5年ずらすこと
が可能で、60歳~70歳で選べるようになっています。
今回の改正により、繰下げ受給の上限年齢を 70 歳から 75 歳に引き上げます。
★在職老齢年金の見直し
・65 歳未満の在職老齢年金について、支給停止の基準額を 28 万円から47 万円
(65 歳以上と同額) に引き上げて65歳未満の基準額を65歳以上に揃えます。
・65 歳以上の在職者の老齢厚生年金について、1 年ごと (毎年 10 月) に加入期間を
年金額に反映させます。
(3) 令和 4 年 10 月 1 日施行
★短時間労働者への適用拡大
・短時間労働者の社会保険の加入について、現在、従業員数「501人以上」の企業に
勤めていることが条件になっていますが、厚生年金に加入しやすくするため、
「101人以上」の企業まで引き下げます。
・短時間労働者への被用者保険の適用要件のうち、勤務期間要件について「1年以上」
を「2 月超」に改めます。
・被用者保険の適用対象となる個人事業所の業種に、弁護士、税理士、社会保険労務士
等の法律・会計事務を取り扱う業種を追加。
(4)令和 6 年 10 月 1 日施行
★短時間労働者への更なる適用拡大
・短時間労働者の社会保険加入の企業規模の要件を、「51人以上」の企業まで
引き下げます。