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事務所だより:

マンション賃貸されている方へ

発行日:2023年01月10日
新たに記事を掲載しました。

マンション賃貸をされている方へ

 マンション賃貸をされている方に必見!!
 お持ちのマンションという不動産は大丈夫でしょうか?
 決して「負動産」にならないように、次のようなことに関心を持ちましょう!

〇 令和3年度 マンションの大規模修繕工事の状況
  ある信頼できる機関が、800件強の工事事例をもとに、平均的な修繕期間、1戸当たりの工事金額、 その工事の内訳を分析し、次のとおり公表しています。
  (1) 大規模修繕工事の修繕周期
     ① 全体の23% が 13年目
     ②  〃  19% が 12年目
     ③  〃  15% が 14年目
     ④  〃  11% が 15年目
     ⑤  〃  7%  が 16年目
     つまり、全体の3/4 以上のマンション(75%)が、12年〜16年の間 に、大修繕を行っています。
     ちなみに、全体の2%程度のマンションが20年経過後に大規模修繕を行っています。

 (2) 大規模修繕工事費の1戸当たりの工事金額
     ① 全体の27% が  100万円超から125万円以下
     ②  〃  25% が  75万円超から100万円以下
     ③  〃  17% が  125万円超から150万円以下
     ④  〃  10% が  50万円超から 75万円以下
     ⑤  〃  7%  が  150万円超から175万円以下
     つまり、全体の1/2以上が75万円から125万円内で収まっています。
    ちなみに、全体の3%程度のマンションで200万円超かかっており、30戸程度のマンションならば、総工事費用は6,000万円以上かかる計算になります。
   (1戸当たりの金額が高いマンションは、20年経過後に大修繕されたのではないでしょうか?)

 (3) 総工事金額の内訳
    本来の大規模修繕工事は全体の60%程度です。それ以外に費用がかかるのは足場作りなどの仮設工事に23%、諸経費に10%がかかっていることを知っておくべきです。
そして、本来の工事(全体の60%)の内訳としては、
① 外壁塗装、タイル、シーリング等の工事費   50%
② 屋根防水や床防水などの工事費        32%
③ 鉄部塗装、建具や金物などの補修費      15%
   ※ 例えば、全体で5,000万円の工事費ならば、1,150万円が仮設工事、500万円が諸経費に使われ、残りの3,350万円のうち、外壁工事等に1,675万円、屋根防水などに1,072万円といった感じになると言えます。
      タワーマンションでは、一般的に足場組立に全体の30%かかると言われています。外壁工事等では、その30%部分は何も形として残らないことを理解しておくことが大事です。

以上を踏まえて、マンション賃貸経営の方へ
(1) 1棟貸しをされている方
   自ら所有しているマンションについても、ほぼ同様な時期に、同様の金額での大規模修繕工事が必要となります。気を付けないといけないのは、誰も何も言わないからと先延ばしにすると、建物の基礎部分が雨水などで傷み、結果さらに多額の費用が必要となり、ますます大修繕工事をすることにためらいが起きます。
  適時に適切な補修や修繕を行うことが、引いてはお持ちの資産の価値を維持でき、時の流れに応じたリノベーションを行うことで入居者にとって良好な環境を提供でき、空き家リスクの回避につながります。

(2) 部屋貸しされている方へ
   2022年4月施行の改正マンション管理適正化法で一定基準を満たしたマンションについて自治体が「認定」する制度が始まりました。
  お持ちの部屋がある分譲マンションが認定を受けた場合、マンションの資産価値が高まり、将来売却されるときには売却金額が高く評価される可能性があります。
  また税制改正があり、認定されたマンションで25年3月までに外壁補修などの工事をされた場合、翌年の固定資産税(建物部分)が、最大1/2まで減額されます。
  いずれにしろ、マンションの管理組合がどういった考えなのか、財政状態はどうなのか、大規模修繕計画はどうなっているのか、といった状況を総会議事録などで確認しておくべきでしょう。
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畑中達司税理士事務所