物価上昇と就業調整(いわゆる“年収の壁”)への対応として、2025年分(令和7年分)から所得税の控除体系が拡充されます。施行は12月1日、2025年年末調整で精算し、源泉徴収税額表の本格適用は2026年1月支払分から。実務の山は「年末調整」と「翌年1月以降の源泉」の2段階です。
① 基礎控除の拡充
〇原則額を58万円へ引上げ(合計所得金額2,350万円以下)。
〇さらに2025・2026年分に限る特例として、所得水準に応じ最大+37万円の加算(例:給与のみ200万円程度なら95万円、〜475万円程度なら88万円など)。年末調整/確定申告で適用し、月々の源泉には織り込まれません。
② 給与所得控除の底上げ
〇最低保障額を55万円→65万円へ。低〜中所得層の手取りを下支え。2025年分の年末調整で精算、2026年1月以降の源泉税額表にも反映されます。
③ 「特定親族特別控除」の新設(最大63万円)
〇19歳以上23歳未満で、控除対象扶養親族に該当しない親族(配偶者・専従者等を除く)を有する場合、その親族の合計所得58万超〜123万円以下に応じて最大63万円を本人の所得から控除。2026年以降は月次源泉でも一定額を適用可。学生バイトの“壁”緩和が狙いです。
④ 所得要件の引上げ等(連動改正)
〇扶養親族・同一生計配偶者の所得要件:48万円以下→58万円以下。
〇勤労学生の所得要件:75万円以下→85万円以下。住民税側も翌年度分で整合。
実務での着地点(年末調整〜翌年運用)
〇年末調整:基礎控除の特例加算・給与所得控除引上げ・特定親族特別控除を今年12月に一括精算。様式・控除額マスター更新と、従業員周知(社保の壁とは別制度)が必須。
〇翌年1月以降:改定後の源泉税額表で月次運用へ移行。人事・経理は賃金テーブル/シフト設計と年収見込みの再計算を並走させると安全です。
ひと言で
「今年12月でまとめて清算、来年1月から月次も新ルール」。この感覚で体制を整えると迷いません。