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《コラム》年金控除と隠れ増税



□後期高齢者医療保険料の年金控除
 後期高齢者医療制度の導入に伴い、稼ぎ手家族の所得税や住民税が負担増となることがあります。従来は、家族分の国民健康保険料の実際支払者がその支払額を自分の社会保険料控除としていました。
しかし、後期高齢者医療保険料は年金から控除されるので、年金からの控除額はその年金者からの社会保険料控除にしかならないと解説されています。
新聞ではこれを「隠れた増税」などと指摘しています。

□次は国保の年金控除
 公的年金からの社会保険料の天引きは介護保険料にはじまり、今年の4月から75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度の保険料に拡大し、さらに、この10月からは65~74歳が加入する国民健康保険料がその対象になろうとしています。(自治体によってはすでに4月から国保の年金天引きしているところがあります。)

□国保の保険料の負担者
 国民健康保険料の納付義務は世帯主にあり、保険料の通知書は世帯主宛に送られてきます。世帯主が主たる稼ぎ手でなくても、他の65~74歳世帯員分の国民健康保険料を含めた支払いを請求されます。そして、この世帯主に年金があると、そこからの天引きとなります。ここでも「隠れた増税」現象が生ずることになります。

□急きょ選択制に変更された
 「隠れた増税」は意図したところではなかった、ということらしく、政府は7月22日、後期高齢者医療保険料と65~74歳加入の国民健康保険料との納付の方法を年金天引きと口座振替との選択制とする政令改正をしました。
本人または配偶者もしくは世帯主に該当する家族の預金口座からの振替に変更できるということです。現金納付という選択肢はなさそうです。

□ちょっと考えてみたい
 社会保険料控除は家族負担分を家族の誰かが支払えば、その支払者の控除とできるものです。天引きされたものは他の人からの控除にできない、というのは給与のみについてです。法律で給与のみ特別扱いしているからです。年金からの控除額は家族が補てんしたら、その家族の支払いと考えてもよいとする解釈的余地はあってもよさそうに思われます。
2008年9月19日更新
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角田 圭子 税理士事務所