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事務所だより:

★事務所だより1月号★

発行日:2026年01月06日
いつもお世話になっております。

新たな年を迎え、皆様にとってご多幸がありますようお祈りいたしております。
本年も変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。

それでは、今月の事務所だよりをお届けします。

2026年1月の税務

1月13日
●前年12月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付(年2回納付の特例適用者は前年7月から12月までの徴収分を1月20日までに納付)

2月2日
●支払調書の提出
●源泉徴収票の交付
●固定資産税の償却資産に関する申告
●11月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●5月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の2月、5月、8月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の10月、11月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(9月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
●給与支払報告書の提出

○給与所得者の扶養控除等申告書の提出(本年最初の給与支払日の前日)
○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第4期分)(1月中において市町村の条例で定める日)

代償分割による遺産分割

◆代償分割とは
 相続後も親の不動産に住み続ける場合、複数の相続人が不動産を共有で相続することは、将来の建替えや売却の際、所有者全員の同意を得なければならないなど、所有関係を不安定なものにしてしまいます。このように現物分割が困難な財産の場合に、特定の相続人が現物の財産を取得し、代わりに他の相続人には、それぞれの持分に応じて債務を負担して遺産分割することができます。これを代償分割と呼びます。

◆代償財産の価額の計算方法
 代償分割で交付する財産(代償財産)の価額は、財産を取得した相続人が他の相続人に対して支払う債務(代償債務)の額となります。例えば相続人が兄弟2人で兄が親の居宅を相続して弟に金銭を支払う場合、居宅と敷地の相続税評価額を4,000万円、支払額を2,000万円とすると、それぞれの取得財産の価額は次のように計算します。
 兄の課税価格: 4,000-2,000=2,000万円
 弟の課税価格: 2,000万円

 また、居宅と敷地の評価額を時価とする場合、時価を5,000万円、支払う金銭を2,000万円とすると、それぞれが取得する財産の価額は次のように計算します。
 兄の課税価格=C-A×C/B=2,400万円
 弟の課税価格=A×C/B=1,600万円
 A:代償債務の額 2,000万円
 B:代償債務の額の決定の基となった財産の通常の取引価額(時価)5,000万円
 C:代償債務の額の決定の基となった財産の相続税評価額 4,000万円

◆不動産で支払うと譲渡所得税が課税される
 代償財産が相続人の所有不動産の場合、相続人は代償債務の支払いのため、自身の所有不動産を時価で譲渡したものとして、譲渡所得に課税されます。この場合、代償債務の負担額は、代償分割によって取得した相続財産の取得費に算入されません。

◆代償分割の活用
 預貯金や株式、信託財産など金融資産を分割する場合、相続人の数が多いときは、分割に相続人間の同意がある場合でも、相続人全員が一堂に会して金融機関向けの申請書類に署名・押印する手続きは負担が重くなります。この場合も相続人代表者が代償分割を活用すれば手続きが楽になりそうです。金融機関と事前に相談しておくことをお勧めします。

2025年中小企業白書を読み解く 中小企業の人材戦略最前線

◆人材をめぐる課題が成長の壁になる
 2025年版中小企業白書は、企業の成長を阻む最大の要因として「人材確保」と「人材育成」の両立の難しさを指摘しています。とくに従業員30人未満の企業では、採用が不安定であることが経営者の悩みとして突出しており、求人を出しても応募がない、来てもすぐ辞めてしまうという声が多く挙がっています。若年層の中小企業離れや地域間格差に加え、求職者が企業に求める価値観の変化が、従来型の雇用戦略を通用しにくくしています。

◆人が辞めない職場には理由がある
 成長企業ほど「人が辞めない仕組み」を意識的に構築していることが明らかにされています。たとえば、賃金水準の見直しだけでなく、業務負荷の平準化や働き方の柔軟化、従業員の意見が反映される仕組みなど、エンゲージメントを高める取組が定着しています。特に注目すべきは、従業員が「この会社で成長できる」と感じられる環境づくりが、結果的に定着率の向上と企業のスケールアップを後押ししている点です。

◆育成こそが企業の競争力
 人材の定着だけでなく、継続的なスキル向上も競争力に直結しています。白書では、OJTだけでなくOFF-JTや外部研修制度の活用、評価制度と連動した育成プランの導入が、有効な戦略として紹介されています。これらの施策を通じて、従業員が中長期のキャリアビジョンを描けるようになれば、モチベーションの維持と業務への主体性が大きく変わってきます。特に製造業などの技能継承分野では、ベテランの暗黙知を形式知化し、若手が吸収できる仕組みづくりが急務です。

◆採用も育成も「戦略」で考える
 人材確保・育成は、単なる総務業務ではなく、経営戦略の中核と位置付けるべきフェーズに来ています。白書では、採用から定着・育成・配置までを一貫して設計することの重要性が繰り返し強調されています。たとえば、求職者に響く求人票の作成や、自社の魅力を言語化する広報施策の強化、さらには人事制度の可視化など、戦略的な取り組みが求められています。人が辞めない、育つ、集まる企業こそが、これからの地域経済を支える基盤となるのです。

教育訓練休暇給付金の実務対応

◆制度概要と導入の目的
 2025年10月から雇用保険に新設された「教育訓練休暇給付金」は、従業員が自発的に無給の長期休暇を取得して教育訓練に専念する場合に支給される新制度です。給付額は失業等給付と同様の方式で算定され、支給はハローワークから直接本人に行われます。制度創設の目的はリスキリング推進ですが、企業側にも準備が求められます。

◆税務面での取り扱いと留意点
 まず税務面では、この給付金は雇用保険法上の「失業等給付」に該当し、所得税法上も非課税所得と位置付けられます。したがって源泉徴収や年末調整の対象外であり、企業が課税処理を行う必要はありません。類似の育児休業給付金や介護休業給付金と同様、給与と誤って処理しないことが実務上の留意点となります。

◆就業規則と事務手続き
 次に人事労務面では、就業規則の整備が不可欠です。制度の利用には「無給の教育訓練休暇」を規程に明記し、対象となる休暇が業務命令ではなく労働者の自主的取得であることを担保する必要があります。加えて、申請に必要な「賃金月額証明書」などを発行する事務手続きも会社の責任となります。なお、この教育訓練休暇給付金を受給すると、それまでの雇用保険の加入期間がリセットされるため、将来的に失業給付を受給する際には、改めて加入期間の要件を満たす必要がある点についても、従業員への十分な説明と注意喚起が不可欠です。また、解雇等を予定している労働者についてはこの制度が使えません。不正利用は罰則の対象となりますのでご注意ください。

◆業務運営への影響と社内準備
 さらに、長期休暇取得が業務運営に与える影響を考慮し、代替要員の確保や業務分担の調整を含めた社内準備も求められます。
 産休育休制度等が充実している会社であればある程度社内準備については流用できる部分はありますが、代替要員の確保や業務分担の調整は前もって準備しておかないとなかなか大変なものです。周囲の従業員が不満を抱かないような配慮が必要な場合もあるでしょう。

確定申告書等作成コーナー ID・パスワード方式の新規発行停止

◆ID・パスワード方式の新規発行停止
 現在、国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」からe-Taxにより税務申告を行う主な方法としては、①マイナンバーカード等を利用した「マイナンバーカード方式」のほか、②税務署が本人確認を行った上で発行するIDとパスワードを利用した「ID・パスワード方式」があります。
 このID・パスワード方式については、当初からマイナンバーカードが普及するまでの暫定的な対応として運用していたため、マイナンバーカードの保有率に鑑み、令和7年10月1日から、新たなID・パスワードの発行を停止しています。

◆ついに「普及した」と言えそうな状況に
 マイナンバーカードの保有状況ですが、総務省発表を見てみると、令和7年8月末の時点で人口に対する保有枚数率は79.4%となっています。
 本人確認書類としての利用から、コンビニ交付サービスによる住民票や印鑑証明の取得、健康保険証や免許証としての利用等、様々なサービスを取り入れ、行政の効率化や利便性向上を目指して運用されてきたマイナンバーカードですが、カードの交付が始まったのが2016年1月で、マイナンバーカード方式によるe-TaxがスタートしたのはID・パスワード方式と同じで2019年1月から。その後2020年からはスマホによる申告が可能になりました。確定申告で利用できることは、このマイナンバーカードの普及に寄与した大きな要因となっているのではないでしょうか。

◆引き続き利用はできるが
 ID・パスワード方式で使用するID・パスワードについては、既存のものであれば引き続き利用は可能です。ただし、「今後に関する対応については、改めてご案内することを予定しています」と言及しており、マイナンバーカードを用いたe-Taxを促進している国税庁としては、廃止も含めた検討を行っているものと考えられます。
 利便性を考えると、全ての方式を生かしてくれた方が良いものの、システムの整備等でコストが高くなるのも確かです。とはいえ、一番良くないのは「システムに乗り遅れてしまった人」を救済できるような仕組みがないことです。税務当局は今後も難しいかじ取りを求められそうです。
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