発行日:2026年04月28日
2026年5月の税務
5月11日
●4月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
5月15日
●特別農業所得者の承認申請
6月1日
●個人の道府県民税及び市町村民税の特別徴収税額の通知
●3月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●9月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の2月、3月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(1月決算法人は2ヶ月分、個人事業者は3ヶ月分)<消費税・地方消費税>
●確定申告税額の延納届出に係る延納税額の納付
○自動車税(種別割)の納付(5月中において都道府県の条例で定める日)
○鉱区税の納付(5月中において都道府県の条例で定める日)
4月道交法改正 自転車にも青切符
◆自転車にも違反切符制度が導入
道路交通法の改正により 2026年4月から自転車の交通違反に「交通反則通告制度」(いわゆる青切符)が導入されます。この青切符は自動車の交通違反に広く行われている違反処理の方法で、今まで自転車には導入されていませんでした。
これまでは自転車の交通違反が検挙されると、「赤切符」(飲酒運転など特に悪質性・危険性が高いものに適用)などを用いた刑事手続きによる処理が行われていました。青切符の導入により、手続き的な負担を軽減するとともに、違反者に前科を付けることなく、実効性のある責任の取り方が可能になるとされています。
◆青切符の対象となる主な違反とは
青切符による違反例としては、信号無視(反則金 6,000円)、一時不停止(同5,000円)、携帯電話使用(ながらスマホ)(同12,000円)、制動装置(ブレーキ)不良(同,5000円)、無灯火(5,000円)、車道の右側通行(同6,000円)等が挙げられます。
対象年齢は16歳以上とされ16歳未満には青切符は切られませんが「指導警告」は実施されます。
青切符導入後も指導警告は実施され、さらに悪質・危険な違反は検挙の対象とされます。検挙の対象が増えたことで自転車の交通違反の取り締まりが強化されることになります。
◆自転車安全運転のための交通ルール
・原則車道の左側を通行
(ただし歩道の通行が認められる場合あり)
・ながら運転はしない
・夜間はライトを点灯する
・ヘルメットを着用する
・お酒を飲んだら運転しない。重大な違反行為であり赤切符の対象となる
◆従業員にも知らせましょう
通勤などで従業員が自転車通勤をしている会社もあるでしょう。自転車の青切符制度について個人として当然知っておくべきことですが、重大事故が起こった場合などは企業に使用者責任が問われる場合も想定されます。自転車の交通違反の取り締まり強化が進む中、自転車への青切符導入や自動車のみならず、自転車の交通違反防止については従業員にも通知しましょう。
第23回公募が公表!ものづくり補助金の採用戦略
◆制度の全体像と募集要件
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(第23次公募)の主力である「製品・サービス高付加価値化枠」は、革新的な新製品・新サービスの開発を行う取組を支援対象とする制度です。補助事業終了後3〜5年の事業計画期間において付加価値額の年率平均3%以上の向上や給与支給総額の年率平均3.5%以上の上昇等高い水準とする計画が求められます。これを満たしたうえで、審査では設備投資そのものより、その投資を実行できる経営力と、投資後に成果を生み出す事業性が評価される点を理解しておくことが重要です。
◆経営力評価で見られる具体的ポイント
経営力の審査では、経営者が自社の現状と課題を正確に把握し、将来像を描けているかが問われます。具体的には、市場環境や顧客ニーズの変化を踏まえた課題認識ができているか、過去の業績推移と照らして課題設定に無理がないか、さらに補助事業が自社の中期的な経営方針と整合しているかが重要です。実務上は、設備導入の話から書き始めるのではなく、経営上のボトルネックや成長制約を先に示し、その解決手段として今回の投資が位置付けられている構成にすることで、経営力の評価を高めることができます。
◆事業性評価で差がつく説明の視点
事業性の審査では、生み出される製品・サービスが顧客にとってどのような価値を持ち、競合と比べてどこが優れているのかが評価されます。単に高性能な設備を導入するという説明では不十分で、価格やサービス体制などの観点から、自社の競争優位性がどのように強化されるのかを示す必要があります。実務では、想定顧客を具体化し、導入後の売上構成や取引単価の変化を数値で示すことで、事業としての実在性と成長性を裏付けることが重要になります。
◆審査を意識した事業計画作成の実務対応
経営力と事業性の評価を高めるためには、付加価値額や賃金計画といった数値要件を考えるのではなく、経営戦略の結果として位置付けることが重要です。設備投資後の業務フローや人員配置を具体的に描き、価値が向上し、賃上げが可能になる理由を記載することで、計画全体の説得力が高まります。第23次公募の申請の締切りは2026年5月8日17時です。
外国人労働者の雇用保険加入
◆雇用保険、外国人の加入義務は?
雇用保険は労働者が離職した際の生活支援や再就職支援を目的とした公的制度です。
日本国内で働く外国人労働者も原則として日本人と同様に雇用保険の加入対象です。次の要件を満たせば加入となります。
1.週の所定労働時間が20時間以上、雇用契約書や就業規則で定められた通常の勤務時間が基準
2.31日以上の雇用見込みがある
雇用期間が31日以上であるか30日を超えて更新の可能性がある場合。契約が短期間でも実態で継続雇用が見込まれるなら対象
3.学生でないこと
休学中や卒業後勤務予定は除く
◆適用除外となる場合
1.昼間学生
学業が主目的であり、原則として雇用保険の対象外。夜間・通信制・休学中・卒業見込みで継続勤務予定者は除く
2.特定活動(ワーキングホリデー)
滞在目的が休暇であり就労は副次的な活動とされる
3.経営・管理
自ら事業を行うものであり雇用され労働者でないため
4.短期雇用・短期滞在(31日未満)
雇用見込みが31日未満で更新の可能性がない場合
5.家族滞在 原則として就労不可
資格外活動許可取得の上加入条件に合えば可
6.短時間労働 週20時間未満
7.季節雇用者 一定の条件下では不可
8.母国の失業保険に加入している出向者
二重加入は不可
◆雇用保険加入のポイント
1.在留資格の確認
就労が可能な在留資格かどうかを必ず確認する。「技術人文・知識国際業務」「永住者」「定住者」などは就労可能
2.在留カード写しの保管
雇用保険加入届時に在留カードの写しを求められます。労働条件通知書と一緒に保管しておきましょう
3.氏名の表記に注意
在留カードのローマ字氏名と住民票の漢字氏名が異なる時がありますが住民票の字で表記します
4.マイナンバーを取得し使用します
相続税調査は増加傾向 追徴課税額も過去最高水準に
◆実地調査は9,500件超に増加
令和6事務年度の相続税に関する実地調査件数は9,512件で、前年度比111.2%と大幅に増加しました。追徴税額も824億円(前年度比112.2%)と増加し、調査1件あたりの追徴額は平均867万円に達しています。調査の対象は、過少申告が疑われる事案や、申告義務があるにもかかわらず無申告が疑われる事案など、国税当局が入手した資料情報に基づき重点的に選定されています。
◆簡易な接触でも追徴効果
書面通知や電話・来署依頼による「簡易な接触」も積極的に行われており、21,969件(前年度比117.0%)に達しました。これにより、申告漏れ課税価格は1,123億円、追徴税額は138億円と、いずれも簡易接触が開始された平成28年度以降で最高水準となっています。形式的なやり取りで済むと軽視されがちですが、実態は大きな修正リスクを伴っており、税務署からの文書ひとつが大きな対応義務に発展する可能性があることを認識すべきです。
◆無申告・海外資産は特に要注意
無申告事案の追徴税額は142億円と、平成21年度の公表開始以来で過去最高を記録しました。また、海外資産関連事案も増加しており、実地調査件数は1,359件、申告漏れ課税価格は97億円でいずれも前年比2割以上の増加です。特に、CRS情報や租税条約による情報交換が活用されており、海外資産の秘匿は極めて困難になっています。
実例として、海外子会社への貸付金を国内法人口座経由で隠蔽したケースでは、約4.4億円の課税価格の修正が行われ、1.8億円の追徴税額が発生しました。意図的な隠蔽行為は重加算税の対象にもなり得るため、非常に高額な税負担リスクを伴います。
◆実務での対応ポイント
これらの状況を踏まえ、相続税対策を行う中小企業経営者や資産家は、次の点に留意すべきです。まず、相続前の多額の現金引き出しや贈与については、目的・使途の記録と説明責任を明確にすること。また、海外資産を保有している場合は、その管理状況や取得経緯を文書化しておくことが肝要です。税理士任せにせず、資産構成と過去の資金移動について経営者自身が説明可能な体制を整えておくことが、将来的な税務リスクを軽減する鍵となります。
意外と知らない労災保険
◆原則、すべての労働者は労災保険の対象
労災保険は労働者が業務上の病気やケガをしたときに医療や休業補償を受けられる制度です。労災保険は一般的になじみが薄く、勘違いしているところがあるので、見てみましょう。
◆会社が労災保険に未加入だった時
労働者が業務災害や通勤災害で被災したとき事業所が労災保険に未加入であっても労働者は労災保険の給付は受けられます。
労働者には速やかに治療費や休業補償を行いますが、そのあと事業主に対して保険料徴収、追納、行政指導があります。
◆業務中が原因でも健康保険は使えるか?
業務や通勤が原因の傷病は健康保険でなく、労災保険の対象です。健康保険を使ってしまうと自己負担(通常3割負担)が発生するうえ、後から労災申請する際、健康保険を取り消してから行う等手続きが複雑になります。最初に労災かどうかを確認しましょう。
5人未満の事業所の事業主はケースによっては健保が使える場合がありますが、現場の仕事等が多い場合は事業主の特別加入をしておくのが安心です。
◆通勤中の事故と労災
通勤災害も労災保険の対象です。自宅から職場までの合理的な経路・方法での移動中の事故は原則として通勤災害とされます。寄り道、私的な用で逸脱していると対象外になることもあります。
◆労働者の過失による被災
労災保険制度は労働者が労災で負傷等した際、労働者に一定の過失があってもそれを理由に給付減額はありません。労働者保護を最優先に考えている制度だからです。
◆慰謝料について
労災保険は負傷、疾病、障害、死亡した場合、被災者や遺族を保護する損害補償に限られており、精神的苦痛に対する慰謝料は支給されません。慰謝料は給付対象外なので民事訴訟や、示談交渉を通じて請求となります。
◆会社の承認必要か
労災保険を給付申請する際に事業主が協力しない場合は、労働者本人が労基署に直接申請することもできます。