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《コラム》不相当に高額な役員退職金の法人課税
役員退職金は経営者のこれまでの貢献に応じ、会社の財産状態や収益力などを考慮して支払われますが、退職金が不相当に高額なものとされた場合、その高額な部分は損金となりません。
◆生前退職金を受ける場合
法人税では役員に支払われる退職金について、その役員の業務に従事した期間、退職の事情、同種の事業を行う法人の役員に対する支給状況等から適正額を算定します。裁判で示される算定方法は、一般に平均功績倍率法と呼ばれる方法です。その役員の「最終報酬月額×勤続年数×類似法人の功績倍率の平均値」で算定されます。
◆不相当に高額な部分の算定
税務署が示す役員退職金の適正額に対応するためには、その構成要素である役員報酬の額を把握する必要があります。国税庁は調査対象法人と同業種類似法人の役員報酬データを把握しており、これをもとに役員退職金の適正額を算定します。
納税者は国税庁が持っている個別法人の役員報酬を閲覧することはできませんが、国税庁が公開する「民間給与実態統計調査」や税務関連の雑誌に掲載されるデータをもとに業種ごとの役員報酬額を把握し、上記算式に当てはめて自社の役員退職金の適正額を推計することができます。功績倍率は功労加算金を含めておおむね3倍となる水準が過去の判例で示されています。
また、最近の判例で法人の役員報酬に「不相当に高額な部分」があるか争われた裁判で納税者は「不相当に高額」な役員報酬は実働のない役員給与や租税回避を企図したものに限られると主張しました。しかし、裁判所は法人税法の趣旨は「課税の公平性の確保」であるとして納税者の解釈を認めませんでした。法人が役員の業績を正当に評価した報酬であっても「不相当に高額」な部分があるとして否認された事例です。
◆死亡して退職金を受ける場合
役員の死亡時に退職金をもらう場合、役員を被保険者とする生命保険契約を締結し、死亡保険金を原資として遺族に退職金を支払うことがあります。この場合も退職金は適正額であることが求められます。
保険契約を締結したときに設定した条件は時の経過とともに変化していきます。保険金と同額をそのまま退職金として支払った場合、不相当に高額な部分があると損金不算入となることを踏まえて役員退職金の支払額を決める必要があります。
2026年9月17日更新
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